2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表層提示型キチナーゼのキチン分解機構の解明と糖転移活性向上によるオリゴ糖生産
| Project/Area Number |
25850234
|
|---|
| Research Institution | Fukui Prefectural University |
|---|
Principal Investigator |
伊藤 貴文 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (10402827)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | chitinase / Paenibacillus / structural biology / chitin oligosaccharides |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究は、Paenibacillus 属細菌由来新規キチナーゼChiWの複合ドメイン構造による強力なキチン分解の分子機構の解明、および、その糖転移活性の向上によるキチンおよびキチンオリゴ糖の利用拡大を目的としている。最終年度は、前年度に決定した立体構造に基づき、強力なキチン分解能力に解明研究、および、ChiW糖転移活性の向上を目指し、変異体の作製とそれらの活性測定を行った。
(1) ChiWの立体構造に基づく分解能力の解明研究: 前年度までにChiW全長の立体構造を2.0オングストローム分解能で決定した。立体構造に基づき、触媒ドメインのみ(触媒ドメイン1, 触媒ドメイン2)、および触媒ドメインの順番を入れ替えた変異体タンパク質を調製した。そして、各ドメインと活性の相関解析を行ったところ、各ドメインがキチン分解時に協奏的に働いていることが示唆された。
(2) ChiWの糖転移活性の向上に関する研究: 立体構造に基づき、糖転移活性に影響を与えると予測されるアミノ酸残基を他のアミノ酸に置換し、解析したところ、120-130%オリゴ糖合成活性が上昇した変異体が2種類取得された。
(3) Paenibacillus 属細菌のキチン分解機構に関する研究: キチン分解細菌である P. FPU-7を培養し、その上清に含まれるタンパク質を決定した。その結果、これまで確認しているキチナーゼ以外にも複数種類のキチン分解酵素およびそれらと遺伝子上でクラスター構造を形成している機能不明タンパク質を見出した。さらに、キチンオリゴ糖を細胞質内へと輸送するタンパク質の候補も見出した。
|
Research Products
(5 results)
