2014 Fiscal Year Research-status Report
Lewis塩基-塩化ケイ素複合体を反応性分子素子とする連続型分子骨格構築法の開発
Project/Area Number |
25860008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小谷 俊介 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (50551280)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機化学 / 不斉合成 / 薬学 / プロセス化学 / 有機分子触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、初年度の反応開発の継続とともに、複雑な分子骨格の構築を研究計画としていた。筆者は、平成25年度において既に連続的不斉アルドール反応を利用した(-)-エリカノンの不斉全合成をすでに達成していたが、本年度、その工程数の短縮と収率の大幅な改善(6→5工程、19→65%収率)に成功し、本反応の有用性を実証することができた。これは、「複雑な連続型分子骨格構築」の有用性を示すものである。また、昨年開発した連続的不斉アルドール反応を利用したピラノン環構築法をさらに拡張し、ビニローガス-アルドール反応を利用した新たな高立体選択的なピラノン誘導体の合成にも成功している。これらの結果は、様々なピラノン誘導体の立体選択的な構築を可能にするものである。さらに、平成25年度に開発したハロアルドール型反応における生成物を活用した、オキセタン誘導体の合成を検討している。現在、いずれの基質においても、化学収率は50%程度であり、現在、収率の改善に向けた検討を行っている段階である。これらの研究に大きな時間を割いたため、「ケイ素化剤の開発」に着手することができていなかった。平成27年度では、新規ケイ素化剤の開発を推し進めたいと考えている。 以上、筆者は、Lewis塩基-塩化ケイ素複合体を利用した反応の研究に関して、平成25年度より、さらなる研究成果を得ることに成功した。最終年度に当たる平成27 年度では、これらの反応を活用し、より実践的な反応へと進めることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度、反応開発においては、当初の研究計画を上回る成果を得ることができているため、上記の判断とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、昨年から引き続き、当初予定を前倒しする形で進んでいるので、引き続き研究実施計画に従い、研究を継続する。特に、平成27年度は本研究の最終年度に当たるため、研究成果の公表を積極的に実施していく予定である。
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Research Products
(15 results)