2015 Fiscal Year Annual Research Report
Lewis塩基-塩化ケイ素複合体を反応性分子素子とする連続型分子骨格構築法の開発
Project/Area Number |
25860008
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小谷 俊介 熊本大学, 大学院先導機構, 准教授 (50551280)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有機化学 / 合成化学 / 有機分子触媒 / 薬学 / アルドール反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の最終年度にあたる平成27年度は、「これまでに得られた知見を活用した天然物の迅速合成」、「新たなケイ素試薬の創生」、「新たな連続的分子変換反応の開発」に関する種々検討を行った。 平成26年度に開発したアルドール/ビニロガスアルドール/環化連続反応を活用したシクロクルクミンの短工程合成を試みた。種々置換基の検討を行った結果、アセチル保護を施したベンズアルデヒド誘導体を基質とすることで、良好な化学収率ならびに立体選択性(94%ee)にて4-ピラノン誘導体を得ることができた。本化合物は、脱水反応ならびにアセチル基の除去を経て、シクロクルクミンへと誘導可能であり、現在合成完了に向けた検討を行っている。 新たなケイ素試薬の創生として、四塩化ケイ素やトリクロロシランを出発原料として新たな塩化ケイ素試薬の開発を目指したが有用なケイ素試薬の開発には至っていない。これに代わる新たな合成アプローチとして、高い電子性を示すトリクロロシリルトリフラートを原料として検討を実施しているところである。 新規反応としてトリクロロシリルトリフラートを利用した連続的不斉アルドール反応を開発し、4つの不斉中心を有する化合物を良好な収率ならびに高い立体選択性にて得ることに初めて成功した。本反応は既存の連続的不斉アルドール反応が抱えていた基質一般性を拡張するものであり、より複雑な分子骨格の合成法となるものと期待している。 この他にオキセタンの不斉開環反応が進行することを見出した。現在のところ化学収率・不斉収率は、それぞれ79%、23%であり、十分な結果とは言えないが、オキセタンの不斉開環反応としては初めての例であり、選択性を改善することで有用性の高い反応へと展開できるものと考えている。
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Research Products
(16 results)