2015 Fiscal Year Annual Research Report
3a位置換ピロロインドールのワンポット構築反応の開発と生物活性天然物の網羅的合成
Project/Area Number |
25860014
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田湯 正法 明治薬科大学, 薬学部, 助手 (20632780)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インドール / 天然物合成 / 不斉合成 / アルカロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
スルホキシドと酸無水物から生じるチオニウム種をトリプタミン誘導体と反応させたのち、求核剤を加えると、3a位置換ピロロインドール骨格がワンポットで構築されることを見出した。反応条件の詳細な検討を行い、本骨格構築法を確立させ、多種のピロロインドール天然物の高効率的な合成に応用した。 なかでも、求核剤としてトリプタミン誘導体を用いることでビスピロロインドール骨格のワンポット構築法へと展開し、これまで困難であったヘテロ二量体のワンポット合成も可能にした。本二量化反応を用いてホモ二量体folicanthineやヘテロ二量体calycanthidineやchimonanthidineの短工程合成を達成し、ビスピロロインドール天然物合成における本反応の有用性を明らかにした。 加えて、C2対称キラルスルホキシドを用いてエナンチオ選択的なピロロインドール合成法にも展開し、(+)-psychotriasineの不斉合成も達成した。さらに、本不斉合成法を上記の二量化反応に適用し、二連続第四級炭素をエナンチオ選択的に構築することにも成功した。 本研究結果はピロロインドール天然物の新たな合成法であるだけでなく、安価な試薬を用いる点と実験手法が簡便である点から、構造活性相関研究の展開に大きく貢献できることが期待できる。
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