2014 Fiscal Year Research-status Report
新規作用機序に基づく抗がん剤の創製を目指した天然物の合成および構造活性相関研究
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25860015
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小林 健一 明治薬科大学, 薬学部, 助教 (30639282)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Phaeosphaeride A / 天然物の全合成 / 構造活性相関 / 抗がん剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の研究において、STAT3阻害活性を有する天然物phaeosphaeride Aの構造は合成した化合物のエナンチオマーであることを明らかにし、天然物の相対および絶対立体配置を含む真の構造を決定することができた。そこで平成26年度は、本天然物とその誘導体の構造活性相関研究に向け、まず天然物の全合成研究を行った。 合成方法に関しては、エナンチオマー体の合成ルートに準拠した。まず、Z-選択的なHorner-Wadsworth-Emmons反応とこれに続くSharplessの不斉ジヒドロキシ化により、phaeosphaeride Aが有する三つの不斉中心のうちC-7およびC-8位を立体選択的に構築した。エナンチオマー体の合成における不斉ジヒドロキシ化にはAD-mix-βを用いたため、今回はAD-mix-αを用いることで目的の立体化学を有する中間体を98%ee以上の光学純度で得ることができた。その後数工程を経て、分子内ビニル-アニオンアルドール反応によりC-6位の不斉中心を構築した。エナンチオマー体の合成において、本反応は塩基としてナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを用いた時に最も良い結果が得られたが、収率や選択性などに問題があった。そこで種々の塩基や反応温度等について再度検討したが、従来の問題点を改善することはできなかった。Phaeosphaeride Aの全合成に必要な重要中間体であるジヒドロピラン誘導体を得ることができたため、現在、天然物の合成を進めている。 また、構造活性相関研究に必要な活性評価用サンプルの量的供給に向けて、以前合成した化合物(天然物の提出構造及び天然物のエナンチオマー)の合成も同時に進めた。この中で、これまでに合成されていない新規ジアステレオマー体を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STAT3阻害活性を有する天然物phaeosphaeride Aの相対および絶対立体配置を含む真の構造を決定した。また、構造活性相関研究に必要な数種の人工類縁体の合成にも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きphaeosphaeride Aの全合成及び構造活性相関研究にむけた各種人工類縁体の合成を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用額68円は、平成25年度に発生した預金利息です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に、この68円も含めて全て使い切っています。
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Research Products
(9 results)