2015 Fiscal Year Annual Research Report
金属触媒を用いないクロスカップリング反応の開発とその応用研究
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25860017
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森本 功治 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 助教 (10543952)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クロスカップリング / ヨウ素 / 酸化 / グリコシル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度に酸化されたビアリール化合物は医薬品や機能性分子などの部分骨格に見られるため、芳香族化合物同士の酸化的C-H/C-Hクロスカップリング反応の開発は有機合成上、重要な研究課題である。このような酸化的カップリング反応は生物学的にも重要であると共に、多様な化合物が産生できる非常に重要な方法である。しかしその反応の制御は困難であり、一種類のカップリング生成物を選択的に合成する例は限られている。最近申請者らは、3価の超原子価ヨウ素反応剤を用い、酸化反応の制御が非常に困難なチオフェン類をはじめとするヘテロ芳香族化合物の酸化的クロスカップリング反応の開発に成功している(J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 1668.)。今回、さらに反応制御の難しいフェノール類において酸化的カップリングにおける超原子価ヨウ素化合物の触媒化を検討し、効率的な反応への展開を行った。その結果、超原子価ヨウ素種を用いた、フェノール類の有機触媒クロスカップリング反応の開発に成功した。 さらに三価の超原子価ヨウ素反応剤を用いた、新しい優れたグリコシル化反応の開発を検討した。その結果、種々のグリコシルスルフィドをドナー基質として用い、アルコールとの反応を行ったところ、ヨウ素反応剤と適切なルイス酸を添加することで、グリコシル化反応が高収率で進行することを見出した。
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