2014 Fiscal Year Annual Research Report
LC/MS/MSを用いたリゾリン脂質超高感度精密定量分析に関する研究
Project/Area Number |
25860021
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三枝 大輔 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (90545237)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リゾリン脂質 / LC/MS/MS / レーザーマイクロダイセクション / 原子間力顕微鏡 / S1Pトランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、LC/MS/MSを用いる超高感度リゾリン脂質検出系を構築し、レーザーマイクロダイセクション(LMD)によって切り出された微量組織によるリゾリン脂質定量解析を実施することである。 平成26年度は、はじめに超高感度測定系分析法バリデーションを実施した。先行研究にて測定が困難とされていたLysoPSは、定量限界値100 pmol/Lにおける添加回収試験の日内及び日間再現性の評価項目である真度及び精度は、いずれも20%以下と良好な値が得られた。また、スフィンゴシン一リン酸(S1P)も定量限界値が10 pmol/Lと超高感度な定量系の構築に成功した。また、本測定系を用い、S1Pトランスポーター発現遺伝子のノックアウト(KO)マウスと野生型(WT)マウスの組織中S1Pの定量を実施したところ、WTマウスと比較しKOマウスにてS1Pが有意に高値となることを示した。 また、LMDによる微量組織切片を作成し、肝臓及び脾臓における組織分布を定量したところ、脾臓のS1PはRed Pulpにおいて、White Pulpと比較し有意に高値となることが示された。現在までに組織切片600細胞程度にてリゾリン脂質の測定が可能である。平成25年度の課題であったリゾリン脂質選択的固相抽出カラムの開発は、リゾリン脂質標準品の回収率が十分に得られなかった。そこで、リゾリン脂質とカラムの固定相の疎水性相互作用を確認することを目的とし、原子間力顕微鏡(AFM)による測定を実施したところ、脂質分子によって固定相表面における分子形状の違いを確認することが出来た。今後、AFMを用い、リゾリン脂質選択的な分析カラムの固定相と移動相の組み合わせを明らかにする。以上の様に、二年間における研究で数多くの研究成果を挙げることが出来たことから、本研究が今後のリゾリン脂質分析に大きく貢献すると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Overexpression of autotaxin, a lysophosphatidic acid-producing enzyme, enhances cardia bifida induced by hypo-sphingosine-1-phosphate signaling in zebrafish embryo2014
Author(s)
Nakanaga K, Hama K, Kano K, Sato T, Yukiura H, Inoue A, Saigusa D, Tokuyama H, Tomioka Y, Nishina H, Kawahara A, and Aoki J
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Journal Title
Journal of biochemistry
Volume: 155
Pages: 235-241
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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