2014 Fiscal Year Annual Research Report
ジアシルグリセロールキナーゼδを分子標的とした2型糖尿病治療法開発への基盤構築
Project/Area Number |
25860042
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
堺 弘道 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (00375255)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 2型糖尿病 / 薬物療法 / 食餌療法 / ホスファチジン酸 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジアシルグリセロール(DAG)キナーゼδ(DGKδ)を分子標的とした新たな2型糖尿病治療法開発へ向けて,DGKδの転写・発現調節機構を解明するために,昨年度,マウスC2C12筋管細胞においてミリスチン酸(14:0)がDGKδの発現量を転写レベルで正に制御することを示した.26年度においては,このDGKδ発現量の増加時にグルコースの取り込みが増加することを明らかにした.これらの結果から,ミリスチン酸によるDGKδの発現量の増加はグルコースの取り込みを正に制御する可能性が考えられた. さらに,DGKδのDAG脂肪酸鎖選択性を解明するために,昨年度においては,C2C12筋芽細胞におけるDGKδの発現抑制時に,グルコースに応答したパルミチン酸(16:0)含有PA分子種(30:0-, 32:0-, 34:1-, 34:0-PA)の産生が抑制されることを示した.26年度では,逆に,DGKδの高発現時には30:0-, 32:0-, 34:0-PAの産生が増加することを示した.これらの結果から,DGKδはグルコースに応答してパルミチン酸を含有するDAG分子種を選択的に代謝することが強く示唆された.さらに,DGKδが基質とするDAG分子種の供給経路を調べた.その結果,ホスファチジルコリン(PC)特異的ホスフォリパーゼC(PC-PLC)の阻害剤であるD609は,グルコースに応答した30:0-,32:0-,34:0-PAの産生を抑制し,また,30:0-,32:0-,34:0-DAG量も減少させることがわかった.このことから,DGKδが基質とするDAG分子種の少なくとも一部はPCの加水分解により供給されることが示唆された.また,抗DGKδ抗体を用いたDGKδの免疫沈降物はPC-PLC活性を示したことから,DGKδはPC-PLCと直接もしくは間接的に相互作用している可能性が示唆された.
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Remarks |
http://biofunction.chem.chiba-u.jp/bfc/Top_Page.html
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Distinct expression and localization of type II diacylglycerol kinase isozymes δ, η and κ in mouse reproductive organs.2015
Author(s)
Shionoya, T., Usuki, T., Komenoi, S., Isozaki, T., Sakai, H., and Sakane, F.
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Journal Title
BMC Dev. Biol.
Volume: 15
Pages: 6
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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