2013 Fiscal Year Research-status Report
がん治療へむけた分子シャペロン補因子HOPの阻害剤の創出
Project/Area Number |
25860050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 聡 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10588479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分子シャペロン / タンパク質折りたたみ / HSP70 / HSP90 / HOP |
Research Abstract |
本年度は、分子シャペロン補因子HOPの生理機能を阻害する化合物を同定することを目的とした。 これまでに報告されているHOPの生理機能は、(1)分子シャペロンHSP70ないしHSP90との結合能, (2)ATPase加水分解による構造変化能 (申請者らの発見で、J. Biol. Chem.に投稿決定)である。まず, (1)HOPとHSP70/90との結合を評価するにあたって、ELISAの系を構築した。N末端にGSTタグを付加したキメラHSP70及びHSP90、またヒスチジンタグ(His)を付加したHOPを個別に精製した。次に精製GST-HSP70、GST-HSP90、またコントールとしてGSTをELISAプレートに固定化した後、HOPと一定時間反応させた。結合の有無は、HOPに付加しているHisタグに対する抗体を添加することで確認できた。ELISA系の検討によって、HSP-HOP間の結合を高感度かつ少量で評価できる系を作製した。この系に化合物を添加し、両者の結合に変化があるか検討を行う予定である。また、(2) ATPase加水分解による構造変化に関しては次年度、測定予定である。両者の測定系で絞り込んだ化合物をがん細胞に添加し、特に分子シャペロンネットワークが破綻するかを評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた研究計画よりやや遅れている。この理由として、ELISAの系に使用予定であったGST-HSP70, GST-HSP90の発現系の構築・検討に手間取ったことと、さらにELISAの系の構築と条件検討に時間がかかったのが主な理由である。しかしながら作製したELISAの系は高感度であり、すみやかに化合物を同定できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
作製したELISA系を用いてHSP70, HSP90とHOPの結合を特異的に阻害する化合物を同定する。 HOPのATPase活性による構造変化を阻害する化合物を同定する。 さらに、がん細胞を用いて, 同定した化合物が細胞内で機能するかを細胞の生存率、またHSP70/90-HOPの結合、基質タンパク質の発現量等で評価する。
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Research Products
(4 results)