2014 Fiscal Year Research-status Report
心筋組織幹細胞におけるSTAT3/Pim-1シグナルの解析と創薬標的の探索
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25860061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
毛利 友美 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (20572960)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Pim-1 / STAT3 / 組織幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、これまで、心筋組織幹細胞がIL-6ファミリーサイトカインにより血管内皮細胞に分化誘導されることを報告してきた。本研究では、平成26年度、心筋組織幹細胞の細胞運命を制御を担う新たなサイトカインとして、IL-27を同定した。IL-27はこれまで循環器領域では、あまり注目されることがないサイトカインであったが、研究代表者は、IL-27が、マウス急性心筋梗塞モデルや実験的自己免疫性心筋炎モデルにおいて、心臓で発現誘導されることを見出した。IL-27はIL-6ファミリーサイトカインと同様に心筋組織幹細胞においてSTAT3シグナルを活性化し、Pim-1を誘導することによって、心筋組織幹細胞を血管内皮細胞に分化誘導した。IL-27は、これまで免疫制御サイトカインとして研究がなされてきたが、本研究成果はIL-27が心筋組織再生に関与する可能性を示唆するものであり、IL-27が組織炎症と再生をリンクさせるサイトカインであると期待され興味深い。 また、上記の研究と並行して、心筋組織幹細胞におけるPim-1キナーゼの基質の検討をおこなってきた。Pim-1キナーゼのリン酸化モチーフに着目し、リン酸化モチーフペプチド特異的な抗体をもちいた検討から、SDS-PAGE上、約50kDa、100kDaの基質が存在することを見出している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
心筋組織幹細胞の細胞運命を制御する新たなサイトカインとしてIL-27を同定し得た点で、研究は一定の成果を得ているものと判断する。 また、今回、Pim-1キナーゼの基質のモチーフに着目し、リン酸化モチーフペプチドに対する抗体で候補基質のおおよその分子量を把握できた。「今後の研究の推進方策等」に記載するように、このことは、PhosTagカラムとプロテオミクス技術を組み合わせることでPim-1キナーゼの下流分子を同定することが期待させる。
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Strategy for Future Research Activity |
①IL-27が心筋組織幹細胞を血管内皮細胞へ分化誘導することを見出した。今後は、心筋組織幹細胞において、IL-27受容体をノックダウンし、梗塞後心筋組織に移植することにより、分化誘導が抑制されるかどうかを検討する。 ②Pim-1キナーゼの基質を同定するために、以下の実験を行う;まず、心筋組織幹細胞にPim-1アデノウイルスベクターを感染させ、細胞抽出液を調整する。調整した細胞抽出液をPhosTagカラムで精製しニトロセルロース膜にブロットする。リン酸化基質モチーフペプチド抗体を用いて分子量に目安をつけ、その部分を切り出してプロテオミクス解析を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] The inhibition of N-glycosylation of glycoprotein 130 molecule abolishes STAT3 activation by IL-6 family cytokines in cultured cardiac myocytes.2014
Author(s)
103.Matsuo, R., Morihara, H., Mohri, T., Murasawa, S., Takewaki, K., Nakayama, H., Maeda, M., Fujio, Y.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e111097
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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