2013 Fiscal Year Research-status Report
血球細胞におけるヌクレオチド蓄積・放出機構解明と病態に関する研究
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25860062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日浅 未来 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30587720)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ATP / プリン作動性化学伝達 / 血小板 / 好中球 / VNUT |
Research Abstract |
血小板については、血小板モデル細胞MEG-01、ヒト血小板におけるVNUTの局在について調べた。二重免疫染色法により、ヒト血小板の密顆粒にVNUTが局在することを見いだした。また、MEG-01細胞においても分泌性の小胞にVNUTが局在することを見いだした。VNUTが血小板のヌクレオチド蓄積と分泌に関与することを証明するために、血小板膜画分を用いたATP輸送を測定した。その結果、輸送特性はVNUT精製タンパクでのそれと同様の性質を示した。また、VNUT特異的阻害剤を見いだし、血小板膜画分におけるATP輸送がVNUT特異的阻害剤にて阻害されることを確認した。また、MEG-01細胞からのATP分泌がVNUT特異的阻害剤にて阻害されることを見いだした。さらに、VNUTをRNAiにより発現抑制させると、MEG-01細胞からのATP分泌が減少した。以上の結果は論文投稿中である。 好中球については、マウスおよびヒト好中球、好中球モデル細胞HL60についてVNUTの発現と局在に関する実験を行った。その結果、VNUTがこれらの細胞の顆粒に局在することを見いだした。どの顆粒に局在するのか現在研究中である。好中球モデル細胞HL60についてはATP分泌実験を行い、その分泌がVNUT特異的阻害剤にて阻害されることを見いだした。マウス好中球についてもfMLP刺激によるATP分泌を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、血小板および好中球についてVNUT発現オルガネラを特定すること、VNUT依存性のATP分泌を測定することを目的に研究をすすめた。その結果、血小板ではVNUTが密顆粒に、好中球では顆粒に局在することを見いだしている。また、血小板においては、血小板とそのモデル細胞を用いて、顆粒でのATP輸送特性や阻害剤の効果がVNUTと同様であることを見いだし、さらにモデル細胞からのATP分泌がVNUT依存性であることをRNAi法や阻害剤を持ちいて見いだした。血小板については論文投稿中であり、研究はおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
血小板のVNUTの機能が欠損すると、ヌクレオチドの蓄積分泌が障害され、その結果、血液凝固速度に影響がでてくると考えられる。VNUTノックアウトマウスおよび野生型マウスの血小板膜画分を用いてヌクレオチドの輸送を定量し、さらに血液凝固速度を比較することでヌクレオチド蓄積へのVNUTの寄与を証明する。 これまでのプリン受容体欠損マウスを用いた研究により、ATPオートクリン伝達が阻害されると、好中球の遊走が阻害されることがわかっている。ATP分泌に関わる分子VNUTのノックアウトマウスでは、好中球の遊走が障害され、表現型に反映される可能性がある。この推定をVNUTノックアウトマウスおよび野生型マウスから単離した好中球を用いて実証する。調製した好中球のオルガネラ画分でのヌクレオチド量と輸送活性を測定する。また刺激時の好中球遊走距離を測定する。さらに、ノックアウトマウスを用いて炎症や感染実験を行い、VNUTが関わる好中球からのヌクレオチド分泌と遊走が、個体レベルでの細菌感染防御機能に関わることを証明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額(430円)の端数であったため、試薬等を購入することができなかった。 26年度分と併せて試薬購入費として使用予定。
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Research Products
(3 results)