2014 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症においてカルシウム感受性受容体と機能連関するカルシウムシグナルの同定
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25860068
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
山村 彩 金城学院大学, 薬学部, 助教 (40633219)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / カルシウム感受性受容体 / 血管 / 肺動脈 / 平滑筋 / TRPチャネル / カルシウム / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
厚生労働省が定める特定疾患治療研究事業対象疾患(難病)に指定されている肺高血圧症は、肺血管の障害によって肺血管抵抗が上昇し、持続的に肺動脈圧が上昇する致死性の疾患である。我々は、肺動脈平滑筋に発現して細胞外のCa2+濃度を感知するCa2+感受性受容体(CaSR)の発現増加および機能増強が、肺高血圧症の病態機構に関与していることを明らかにした。本申請課題では、肺高血圧症で機能亢進したCaSRと機能連関するCa2+流入経路を検索した。対照群(normal)および特発性肺動脈性肺高血圧症(IPAH)患者由来の肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)を用いて、Ca2+イメージングや電流解析などの機能解析を行った。その結果、IPAH-PASMCsで観察されるCaSRを介した細胞外Ca2+添加によって惹起される細胞内Ca2+濃度([Ca2+]cyt)上昇の持続相は、非選択的陽イオンチャネル阻害薬であるLa3+により抑制された。受容体作動性Ca2+チャネルの活性化薬であるOAGは、IPAH-PASMCsの[Ca2+]cytを増加させた。IPAH-PASMCsのTRPC6発現は、normal-PASMCsよりも高いことが分かった。TRPC6チャネルのsiRNAノックダウンは、CaSRを介した[Ca2+]cyt上昇を顕著に抑制した。一方で、normal-PASMCsにCaSRとTRPC6チャネルを共発現させると、細胞外Ca2+誘発性[Ca2+]cyt増加を再現できた。IPAH-PASMCsにおけるTRPC6チャネル電流は、CaSRの活性化によって惹起された。IPAH-PASMCsにおける細胞外Ca2+誘発性[Ca2+]cyt上昇は、CaSRとTRPC6チャネルの機能的連関によることが示唆された。この機構が、IPAH患者の過剰なCa2+流入や細胞増殖に関与している可能性が考えられる。
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[Journal Article] Notch Activation of Ca2+ Signaling Mediates Hypoxic Pulmonary Vasoconstriction and Pulmonary Hypertension.2015
Author(s)
Smith KA, Voiriot G, Tang H, Fraidenburg DR, Song S, Yamamura H, Yamamura A, Guo Q, Wan J, Pohl NM, Tauseef M, Bodmer R, Ocorr K, Thistlethwaite PA, Haddad GG, Powell FL, Makino A, Mehta D, Yuan JX.
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Journal Title
Am J Respir Cell Mol Biol
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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