• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

内因性抗腫瘍物質を用いた新規腎臓癌治療薬探索研究

Research Project

Project/Area Number 25860072
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionHimeji Dokkyo University

Principal Investigator

山本 泰弘  姫路獨協大学, 薬学部, 准教授 (70533850)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords腎臓癌 / プロテオミクス
Research Abstract

臨床的に抗がん剤が効きにくい腫瘍である腎臓癌を研究対象とし、内因性抗がん物質である15-deoxy-Δ12,14-prostaglandin J2 (15d-PGJ2)の抗腫瘍効果を測定し、その作用メカニズムを解析することで、難治癌である腎臓癌の新規治療法の開発を目指す。本年度は、15d-PGJ2と各種薬剤を用いた腎臓癌治療薬候補の探索研究として、15d-PGJ2ならびに各種薬剤を併用して適用し、腎臓癌細胞の増殖を抑制するものがないか、検討を行った。15d-PGJ2と既存の抗悪性腫瘍薬を組み合わせて腎臓癌細胞株に適用し、腎臓癌細胞の増殖抑制作用についてMTT assayを指標に評価した。検討の結果、トポイソメラーゼ阻害薬と15d-PGJ2の併用によって、それぞれの単独処置に比べて相乗的な細胞増殖抑制が認められた。また、その細胞増殖抑制の様式は、カスパーゼ-3の活性化を介したアポトーシス誘導である可能性が示唆された。15d-PGJ2は各種腫瘍細胞に対して増殖抑制効果を有することが報告されているが、その作用は従来から知られている15d-PGJ2の受容体であるPPARγを介した経路以外の作用が存在することも報告されている。本年度は15d-PGJ2の新規作用機序を探る研究として、15d-PGJ2が結合するタンパク質を同定し、これらのタンパク質が抗悪性腫瘍効果にどのような寄与があるかを明らかにする目的で検討を行った。腎臓癌細胞株において2次元電気泳動法ならびに質量分析法を用いたプロテオーム解析を行い、15d-PGJ2と結合するタンパク質を数種類同定した。今後は、15d-PGJ2結合タンパク質について、より多くの種類の同定を目指すとともに、15d-PGJ2と既存の抗悪性腫瘍薬との併用処置により発現が変動するタンパク質についてもプロテオーム解析によって同定する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

15d-PGJ2と各種薬剤を用いた腎臓癌治療薬候補の探索については、代表的な抗悪性腫瘍薬との組み合わせについて検討を行い、有望な組み合わせが見出された。また、その作用機序についてもいくつかの可能性を提示できた。さらに、腎臓癌細胞において15d-PGJ2と結合するタンパク質をプロテオーム解析によって数種類同定した。しかしながら、同定したタンパク質の種類はまだ少なく、今後はより多くの種類のタンパク質同定に向けた検討が引き続き必要である。

Strategy for Future Research Activity

15d-PGJ2と結合するタンパク質について、さらに多くのタンパク質を同定することを目指す。また、15d-PGJ2と既存の抗悪性腫瘍薬を組み合わせて腎臓癌細胞株に適用した検討において有効であった組み合わせ(トポイソメラーゼ阻害薬等)を腎臓癌細胞に適用し、プロテオーム解析を行って、発現が変動したタンパク質を同定する。さらに、上記の検討によって同定したタンパク質の阻害薬やsiRNA、抗体等を腎臓癌細胞に適用し、腎臓癌細胞の増殖が抑制されるかどうかを細胞増殖アッセイ(MTT assay等)によって解析する。その細胞増殖抑制の機序について、アポトーシス関連因子や細胞周期関連因子を中心に解析を行い、腎臓癌細胞増殖抑制メカニズムを明らかにする。上記の検討において見出された抗悪性腫瘍剤の組み合わせ、ならびに作用経路にあると考えられるタンパク質が、生体レベルにおいても腫瘍抑制作用に関与があるかどうかについて、ヌードマウスにヒト腎臓癌細胞を移植した腎臓癌のin vivoモデルマウスを用いて明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度に購入予定であったエレクトロポレーションシステムが、所属機関の共同機器室に整備されたため、本助成金での購入を見送ったことによる。また、15d-PGJ2と結合するタンパク質を同定し、そのタンパク質の阻害剤や抗体等を購入することを予定していたが、同定した15d-PGJ2結合タンパク質が今年度は少なかったため、それらの阻害剤等の購入件数が少なくなったことによる。
腎臓癌細胞株における2次元電気泳動法ならびに質量分析法を用いたプロテオーム解析に必要となる試薬およびプロテオーム解析によって同定したタンパク質の阻害薬やsiRNA、抗体等を購入する。また、細胞培養を行うための器具や培養液等の消耗品も購入する。また、本研究の成果を学術論文、学会発表等により社会に発信するための費用として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Treatment of etoposide combined with 15-deoxy-Δ12,14-prostaglandin J2 exerted synergistic antitumor effects against renal cell carcinoma via peroxisome proliferator-activated receptor-γ-independent pathways.2014

    • Author(s)
      Yamamoto Y, Koma H, Hiramatsu H, Abe M, Murakami K, Ohya A, Yagami T.
    • Journal Title

      Molecular and Clinical Oncology

      Volume: 2 Pages: 292-296

    • DOI

      10.3892/mco.2013.234

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 15-デオキシ-デルタ12, 14-プロスタグランジンJ2はトポイソメラーゼ阻害剤の抗腎癌作用を増強する.2014

    • Author(s)
      山本健裕、久保美知華、田村佳織、島田愛理、日向優太、田中涼葉、里井俊太、村上和展、大宅麻子、久村誠也、小林雄馬、山本泰弘、高馬宏美、矢上達郎
    • Organizer
      日本薬理学会
    • Place of Presentation
      仙台
    • Year and Date
      20140319-20140321

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi