2013 Fiscal Year Research-status Report
腸管内代謝実験モデル組み込み生物活性評価と天然素材からの肝保護物質の探索
Project/Area Number |
25860086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
土橋 良太 福岡大学, 薬学部, 助教 (00369026)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腸内細菌 / 代謝実験 / 肝保護 / 成分単離 |
Research Abstract |
腸管内代謝実験モデルを組み込んだ肝保護活性評価試験を用いて伝承的もしくは、論文等で発表されている肝保護効果が示されている複数の天然物エキスの活性を評価した結果、複数の肝保護活性を有するエキスが候補として認められた。活性が認められた天然物の種類は多岐にわたり、柑橘系果実のレモン、ダイダイの果皮、大豆、そば、甘草、人参などが認められた。通常、天然物のスクリーニングは、候補物の選定、候補植物の入手など非常に時間がかかるが、研究実施者が所属する研究室に蓄積された肝保護活性に関するデータや、広範囲の天然物にわたり保存されている天然物エキスを用いることにより、迅速に肝保護活性を有する天然物がピックアップすることができた。また、今回活性が認められた天然物は、入手が容易なものばかりであり、今後、同定された活性成分の大量精製が必要となった場合でも、原料の入手が容易であることから、原料入手困難により研究困難になることも避けられる。 次に、肝保護活性が認められた複数の天然物に関して、今後の成分の分離精製を行うためにスケールアップしたエキスの作成を行った。それぞれの天然物より分離精製を行い、レモン果皮、ダイダイ果皮、そば、甘草よりは、複数のフラボノイド系化合物の単離に成功し、大豆、人参からも複数のサポニン系化合物の単離に成功した。現在も分離精製同定作業は進行中であり、さらに他州の化合物の単離同定が予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施者が所属する研究室に蓄積された肝保護活性に関するデータや、広範囲の天然物にわたり保存されている天然物エキスを用いることにより、迅速に肝保護活性を有する天然物がピックアップすることができた。また、所属する研究室には、分離を行う為の装置も多数あり、また今回購入した溶出位置自在制御精製クロマトグラムシステムを用いることによりスムーズな単離作業を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
単離された化合物それぞれに対して、腸内細菌による代謝、肝保護活性評価を行う。活性が認められた化合物に関しては腸内細菌による代謝物の単離同定を行い、真の活性本体の同定を行う。結果、肝庇護療法に候補となる化合 物を探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実施者が所属する研究室の備品、消耗品を他の研究テーマと共同で使用したことにより次年度使用額が生じた。 今年度行う分離精製同定には、多量の有機溶媒や、分離単体が必要になるのでその購入に使用する。
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