2013 Fiscal Year Research-status Report
p53遺伝子中のナンセンス変異を標的としたリードスルー抗癌剤の創製
Project/Area Number |
25860092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高山 健太郎 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (70611482)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リードスルー / 細胞増殖抑制 / calu-6 |
Research Abstract |
p53 遺伝子中にみられるナンセンス変異の中で、codon 196 及び 213 の変異はそれぞれ全体の 12 %、15% を占める。これらの PTC 含有配列が高いリードスルー感受性を示せば、より多くの癌患者を対象とした薬剤開発を展開できる。 保有のリードスルー化合物を用い、ヒト肺腺癌由来 Calu-6 細胞 (R196X) を、対照としてヒト肺腺癌由来 A549 細胞 (野生型p53発現) を選択し、細胞増殖抑制活性評価及び毒性評価実験(WST-1試薬を使用)を実施した。当研究室でジストロフィン遺伝子のナンセンス変異を対象として開発したリードスルー化合物(TCP series)が、Calu-6細胞に対して細胞増殖抑制活性を示し、かつ構造活性相関はほぼ同様の傾向を示した。すでにTCP化合物群が細胞系と無細胞系間で同様の構造活性相関を示すことが別の研究により明らかになっていることから、本細胞系を化合物スクリーニングに活用することにした。一方で、陰性対照と考えていたA549細胞は、LKB1ナンセンス変異に起因する癌細胞であり、強力なリードスルー活性を示すTCP化合物に若干の細胞増殖抑制活性が認められることから、陰性対照として適さないことが明らかとなった。そこで、COS-7細胞を選択し、再度検討を実施した結果、COS-7細胞に対して顕著な毒性を示さなかったことから、以後本細胞を陰性対照として用いることにした。 構築したスクリーニング系を用い、構造活性相関研究を推進した結果、現在までにTCP-169(未公表、プロドラッグ)が最も高い細胞増殖抑制活性を示し、野生型p53タンパク質発現を促していることがウエスタンブロットにより確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の問題点を解決し、効率的なスクリーニング系を構築することができた。また最も高い活性を示したリードスルー化合物はプロドラッグ型であるが、非プロドラッグ型化合物においても高い活性を示すものを見出すことができており、今後の創薬基盤を複数得ることに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
続けて構造活性相関研究を実施し、より強力な化合物の獲得を目指す。 構造活性相関の鍵化合物を用いた各ナンセンス変異に対する特性評価の実施を検討する。 獲得した高活性化合物に関して、Calu-6細胞を用いた機能解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度をまたいだ継続的な実験研究遂行のため。 物品(試薬)購入費として26年度早々に使用する予定である。
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