2014 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の形態形成と維持における小胞輸送関連蛋白質VAMP5の機能解析
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25860138
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
多鹿 友喜 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90400738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞輸送 / 骨格筋細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋細胞は、多核の長大な細胞である。この細胞の形態形成や維持に関わる小胞輸送システムを解析する。成熟した骨格筋細胞・組織を解析するには、個体モデルが必要である。骨格筋細胞に発現する、小胞輸送関連蛋白質のひとつに着目し、ノックアウトマウスの作出を計画した。平成25年度にキメラマウス作出と、ヘテロ接合体の作出に成功し、その続きとして、平成26年度では、ヘテロ接合体同士の交配をすすめ、73匹のマウス仔を得た。ジェノタイピングの結果、野生型:ヘテロ接合体:ノックアウトマウスの比は、おおよそ10:13:1であった。メンデル比(1:2:1)とは大きく異なり、ノックアウトマウスの出生数が少なくなっていた。また死産も多く見られた。出生日の体重を比較したところ、野生型、ヘテロ接合体、ノックアウトマウスの順に、少なくなった。これらより、着目した分子は、個体発生で何らかの役割をもっていると考えられる。生きた個体として出生していることから、発生初期に致死になるのではなく、発生後期、出生前後に影響していることも考えられる。死産の仔に関して、多くの場合、肉眼レベルでは異常が認められないが、まれに頭部の前後軸が短い個体が見つかる。骨格筋組織は、切片にして、HE染色を施し、細胞レベルでの形態観察を行ったが、特に異常は見つからなかった。ただし、体重の減少があることから、組織全体の形成不全が考えられる。今後の研究では、各種組織の細胞・分子レベルの解析や、発生後期も含めた組織レベル、個体レベルの解析へと展開する。個体全体を観察する方法として、立体情報を得る装置を開発し、2015年3月に日本解剖学会総会で学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘテロ接合子同士の交配が順調に進んだ。ノックアウトマウスの出生数が少ないことがわかり、また、今後の方針を決めるだけの個体数・体重・形態データが得られた。ただし、個体数が少ないことで、個体の運動能といった機能解析を勧めるには、十分な数のノックアウトマウスは得られそうにない。野生型とヘテロ接合体で解析を勧める。
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Strategy for Future Research Activity |
当初、予定していた形態解析・機能解析は、ノックアウトマウスの個体数が少ないため、野生型、ヘテロ接合体を用いて、推進する。個体数が少ないことや、死産が多いことに対しては、発生後期の形態解析を追加して行う。
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Causes of Carryover |
試薬を購入する予定だったが、足りないので翌年に持ち越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年に、試薬を購入する計画である。
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Remarks |
研究室のホームページで、学会発表を報告した。
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