2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規細胞内極性輸送関連タンパク質の海馬神経細胞形態形成における機能解析
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25860141
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
岩野 智彦 山梨大学, 総合研究部, 助教 (10442930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノックアウトマウス / 酵母2-ハイブリッド解析 / 神経細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経細胞の形態形成における極性輸送関連遺伝子の包括的な分子メカニズムを解析するため、極性輸送に関与する遺伝子のクローニングとそれらの相互関係について調べた。 線虫のRNAiスクリーニングにより極性輸送に関与する遺伝子の相互関係については、有意な結果に結びつくものはなかったので、線虫の表現型が興味深く、細胞の恒常性維持にとって重要と考えられる低分子Gタンパク質であるRab1に着目し、解析を進めた。Rab1遺伝子はマウスではRab1aとRab1bがあり、まずKOMPよりRab1a条件的ノックアウト(KO)マウスを入手し解析を進めた。神経系特異的ノックアウトを構築するためにNestin-Creマウスと交配し、Rab1a神経特異的ノックアウトマウスを作成した。このマウスは特に大きな異常を見せず、脳形成にも大きな変化がなかった。極性細胞でRab1aが機能しているかを確認するために、Villin-Creマウスとの交配で小腸上皮細胞特異的Rab1a KOマウスも作成した。こちらのマウスはホモで体が小さく、上皮細胞に若干の異常が見られた。このことからRab1a KOマウスは確かに成功しており、明確な極性を持つ小腸上皮では重要な役割を果たしていることがわかった。一方、神経細胞では極性上皮細胞と状況が異なり、Rab1bがRab1aの機能を相補していると考えられるため、Rab1bとのダブルKOマウスでの解析が今後必要とされる。Rab11に関してもRab1と同様であり、Rab11abダブルKOマウスが今後必要である。一方で、PKD(Protein Kinase D)1,2のダブルKOマウスは胚性致死になり、その初代培養神経細胞は神経突起の成長阻害が示された。以上のことから、神経細胞形成には複数の遺伝子が協同的に働いていることが分かった。
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[Journal Article] Prox1 Regulates the Subtype-Specific Development of Caudal Ganglionic Eminence-Derived GABAergic Cortical Interneurons.2015
Author(s)
Miyoshi G, Young A, Petros T, Karayannis T, McKenzie Chang M, Lavado A, Iwano T, Nakajima M, Taniguchi H, Huang ZJ, Heintz N, Oliver G, Matsuzaki F, Machold RP, Fishell G.
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Journal Title
Journal of Neuroscience
Volume: 35
Pages: 12869-12889
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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