2013 Fiscal Year Research-status Report
細胞性免疫機構の維持・破綻に関与する低分子量G蛋白質Rit1の機能解析
Project/Area Number |
25860142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
江上 洋平 香川大学, 医学部, 助教 (80432780)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Rit1 / RGL3 / ザイモザン / 貪食 / フォスホイノシチド |
Research Abstract |
<多色蛍光ライブセル観察によるRit1と各種貪食マーカーとの時空間的な相関関係の明確化> ファゴゾーム形成時におけるRit1 の詳細な細胞内局在は不明である。そこで本年度は、ファゴサイティックカップの形成・閉鎖に重要なPI(4,5)P2、PI(3,4,5)P3 を認識する蛍光プローブ(PLC-PH、Akt-PH)を用いてRit1との多色蛍光ライブセル観察を行った。RAW264マクロファージにYFP-Rit1とCFP-PLC-PHあるいはCFP-Akt-PHを共発現させ、Zymosanの貪食過程を顕微鏡観察したところ、Rit1はこれらのマーカーと極めてよく共局在することが明らかとなった。Rit1のC末端領域はこれまでに、PI(3,4,5)P3と結合することが報告されている。そこで、Rit1の全長リコンビナント蛋白質を作製し、フォスホイノシチドとの直接的な結合について検討した。GST-Rit1とPIP strip membraneを用いてin vitro binding assayを行ったところ、Rit1はPI(3,4,5)P3のみならずPI(4,5)P2と直接結合することが判明した。 <活性化型Rit1結合プローブによるRit1活性化状態の追跡> Rit1の活性化型はこれまでにRGL3と結合することが報告されている。そこで、貪食過程におけるRit1の活性化状態を調べる目的でRGL3のGST融合蛋白質を作製した。予備実験として、Rit1のGTP及びGDP結合変異体を発現させたCell Lysateを用いてGST pull down assayを行ったところ、作製したリコンビナントはRit1のGTP結合型に強い親和性を示した。現在、この精製蛋白質を用いて貪食過程におけるRit1の活性化状態を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していなかったGST-Rit1とPI(4,5)P2の直接的な結合についても検討を行ったため、解析が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
概要の項目で記したように、貪食過程におけるRit1の活性化状態を明らかにしていく予定である。また、Rit1 はマクロファージを含めた様々な細胞種で発現が認められることから、RNAiによる遺伝子のノックダウンを行い、Rit1 のドミナントネガティブ体の過剰発現と同様の表現型(異物貪食能の低下)が認められるかどうか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた蛋白質機能阻害実験が遅れたために、次年度使用額が生じた。 蛋白質機能阻害実験を翌年度に持ち越し、当該助成金を使用する予定である。
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