2015 Fiscal Year Research-status Report
手根管症候群の滑膜組織変化における局所間葉系幹細胞の役割と性ホルモンの影響の解析
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25860144
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
千見寺 貴子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40452982)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 手根管症候群 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉経後女性に多い特発性手根管症候群は、最も頻度の高い絞扼性神経障害とされ、QOLを著しく障害する。本研究は、手根管症候群に認める結合組織の過剰な線維化が、ホルモンバランスの変化によって生じる局所の間葉系幹細胞 (Mesenchymal stem cell, MSC)の機能異常に起因する、という全く新しいコンセプトで行う。目的は、手根管局所のMSCの細胞形質を解析し、エストロゲンとの関連性を明らかにすることで、本疾患の病態解明および新規治療法開発に繋げることである。平成25~27年度には、手根管症候群(疾患群)および対照群対から滑膜下結合組織および横手根靱帯の一部を採取し、炎症性・線維性変化を解析する。採取組織からMSCを単離培養し増殖能、エストロゲンレセプター発現量、免疫制御能、分化能を明らかにし、性ホルモン値との相関を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25~27年度においては、研究計画に基づき手根管症候群の患者で外科的治療を必要とする患者10名から滑膜下結合組織を採取し、コラゲナーゼ処置後に細胞培養し、FACSを用いでMSCの表面抗原の解析を行った。また、同時に、採取組織に対する、炎症性・繊維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー、細胞外マトリックスなどの解析、およびエストロゲンレセプターのタンパク発現および遺伝子発現の解析によって手根管症候群の滑膜下結合組織の解析を行った。しかし、患者群の組織解析は順調であるが、コントロール群のサンプル回収がやや困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に継続して、札幌医科大学付属病院にて外科的手術を必要とする患者(疾患群)、または手根管症候群の既往がなく手関節外傷などにより外科的手術を必要とする患者(対照群)から組織採取を行う。採取した組織は、炎症性・線維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー、細胞外マトリックス、増殖因子およびエストロゲン, エストロゲンレセプター(ER-α, ER-β)のタンパク発現および遺伝子発現を解析する。また、採取組織からMSCを単離する。MSCの形態、表面抗原、増殖能、分化能などの特性は播種密度、培養期間、継代数などの影響を受けるため、採取組織はコラゲナーゼ処理後にMSC表面マーカーを疾患群と対照群で比較検討する。単離培養したMSCはさらに脂肪分化・石灰化能、免疫制御能、エストロゲンレセプター発現量をin vitroで解析し、疾患群と対照群で比較する。疾患群・対照群ともに単離培養したMSCをin vitroでエストロゲンを添加した状態で培養し、MSCの増殖能、分化能、免疫制御能、エストロゲンレセプター発現量を解析し、エストロゲン添加の有無,さらに疾患群と対照群で比較検討する。
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Causes of Carryover |
平成25~27年度においては、研究計画に基づき手根管症候群の患者で外科的治療を必要とする患者10名から滑膜下結合組織を採取し、コラゲナーゼ処置後に細胞培養し、FACSを用いでMSCの表面抗原の解析を行った。また、同時に、採取組織に対する、炎症性・繊維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー、細胞外マトリックスなどの解析、およびエストロゲンレセプターのタンパク発現および遺伝子発現の解析によって手根管症候群の滑膜下結合組織の解析を行った。しかし、患者群の組織解析は順調であるが、コントロール群のサンプル回収がやや困難であった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に継続して、炎症性・線維性変化の形態学的解析、線維芽細胞マーカー、細胞外マトリックス、増殖因子およびエストロゲン, エストロゲンレセプター(ER-α, ER-β)のタンパク発現および遺伝子発現、また、採取組織からMSCの単離に用いる、細胞培養用品、免疫組織化学試薬、RT-PCR用品、FACS試薬、各種薬品の購入に使用する。また、研究成果の発表としての国際学会への発表、国際学術雑誌への投稿費、英文校正費用に使用する。
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Research Products
(4 results)