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2015 Fiscal Year Annual Research Report

成体脳海馬神経新生における酸感受性イオンチャネルASIC1aの役割

Research Project

Project/Area Number 25860145
Research InstitutionNagoya City University

Principal Investigator

熊本 奈都子  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30467584)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords成体脳神経新生 / イオンチャネル
Outline of Annual Research Achievements

成体脳における神経新生は、脳虚血時に活性化することが知られている。その機序を解明することは、神経新生を制御する方法の開発につながることから、極めて重要である。
ASIC1aは、中枢神経系の神経細胞に発現し、水素イオンによって活性化される陽イオンチャネルである。我々は、形態学的解析により、ASIC1aが海馬の新生ニューロンに発現し、新生ニューロンにおけるASIC1aの発現を抑制すると、樹状突起とスパインの形成が抑制されることを見出した。最終年度には、既存の神経回路への組み込みにASIC1aが作用するか否かを調べるため、嗅内皮質由来の貫通線維と海馬新生ニューロンとのシナプス結合とシナプス成熟度を電気生理学的手法にて解析した。その結果、ASIC1aをノックダウンした新生ニューロンでは貫通線維とのシナプス形成が遅れ、刺激で惹起されるグルタミン酸作動性の誘発性興奮性シナプス後電流(eEPSC)の大きさもコントロールと比べ小さかった。このことより、既存の神経回路と新生ニューロンのシナプス形成にも重要であることを明らかになった。この結果は、ASIC1aが、脳虚血に伴う水素イオン濃度の上昇を感知し、神経新生の制御に深く関わっている可能性を示唆している。今後は、ASIC1aノックダウンが新生ニューロンと投射先のCA3の間のシナプス形成や記憶・学習に与える影響について検討していく予定である。海馬神経新生におけるASIC1aの役割が明らかになれば、内在性幹細胞の賦活化による非侵襲的神経再生法の開発につながると期待される。

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Published: 2017-01-06  

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