2013 Fiscal Year Research-status Report
Atg9を含む新規膜構造体のプロテオーム解析とオートファゴソーム膜形成機構の研究
Project/Area Number |
25860149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
角田 宗一郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80551209)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / 電子顕微鏡 / 膜輸送 / 形態解析 / 培養細胞 |
Research Abstract |
オートファジー関連タンパク質Atg9のオートファゴソーム膜形成機構における役割を明らかにするために、まずAtg9を含む膜構造の細胞内における局在解析と単離精製を行った。HEK293細胞にAtg9-GFP遺伝子を導入し、さらに安定発現株を樹立した。Atg9-GFP安定発現株の蛍光観察行い、過去に報告のあったオルガネラ(ゴルジ-エンドソーム系)への局在に加えて、細胞質中を動き回る輝点として観察出来た。これは過去に出芽酵母で明らかにしたAtg9を含む小胞の局在と類似しており、動物細胞においても同様の小胞上にAtg9が存在することを示唆する。目的とするこの小胞のみを解析するために、細胞破砕液を超遠心を行い ゴルジ・エンドソームと小胞を分離することが出来た。この小胞画分を用いて抗GFP抗体による免疫沈降法を行った。その結果ゴルジ体、エンドソーム、小胞体、ミトコンドリアを含まないAtg9膜構造を精製することが出来た。精製膜構造を電子顕微鏡により観察したところ直径50~100nmの小胞が確認出来た。超微形態的にも出芽酵母のAtg9小胞と同様の構造であることが示された。これらの結果を順次学術集会において報告した。またオートファゴソーム膜上に存在する脂質「ホスファチジルイノシトール3リン酸(PI3P)」この電子顕微鏡による局在解析「急速凍結・凍結割断レプリカ標識法」を行い、出芽酵母と動物細胞のオートファゴソームにおいて相違点があることを明らかにし、その結果を学術論文として発表した。これらの成果によりオートファゴソーム形成における膜動態ついて理解を深めることが出来たと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はAtg9を含む膜構造の解析によりオートファゴソーム膜形成機構の理解を深めることである。申請書で計画した通り動物細胞においてAtg9-GFPを発現する株を樹立することに成功しており、細胞内局在解析も順調に進んでいる。またAtg9を含む膜構造の単離精製に関しても、イムノブロッティングおよび電子顕微鏡による解析で精製が成功していることを確認している。それに続いてのプロテオーム解析までは至らなかったものの、現在その準備を進めており次年度の初旬には解析を行える予定である。また共同研究によりオートファゴソーム膜脂質に関する成果を報告しており、多角的に膜形成機構の解析を進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には申請書の計画通りに進んでおり、今後も計画に沿って研究を行紆余低である。所属研究機関の施設を利用して精製した膜構造のプロテオーム解析を行う。質量分析により同定したタンパク質をさらに詳細な解析を行い、小胞への局在とオートファジーへの影響について明らかにして行く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度末(3/27-29)に学会発表のための出張があり、交通費の予定額と実費に差が出たため。 研究に必要な試薬類の購入に当てる。
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Research Products
(5 results)