2014 Fiscal Year Research-status Report
Atg9を含む新規膜構造体のプロテオーム解析とオートファゴソーム膜形成機構の研究
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25860149
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
角田 宗一郎 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80551209)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | オートファジー / 膜輸送 / 電子顕微鏡 / 形態解析 / プロテオーム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に同定したオートファジー関連タンパク質Atg9Aを含む膜構造のさらなる解析を行った。Atg9はリサイクリングエンドソームやトランスゴルジネットワークへの局在が報告されているが、我々は内在性のAtg9Aが主にリサイクリングエンドソームに近接するものの、必ずしも共局在しないこと、オートファジー誘導時にはAtg9A陽性リサイクリングエンドソームマーカー陰性の膜構造としてオートファゴソーム形成部位に移行することを見いだした。この結果はAtg9特異的な膜構造がオートファゴソーム形成時に働いていることを示している。さらに前年度単離した膜構造の精製度を高めて、電気泳動/タンパク質染色後のゲル抽出法による質量分析と、iTRAQ標識を用いた定量的質量分析を行った。複数のタンパク質が2種類の分析で共通して同定することが出来た。そのうち既にオートファジーとの関連が示唆されている2つのタンパク質、Rab1と14-3-3についてさらに解析を行った。内在性のAtg9Aからの免疫共沈降実験を行いAtg9AとRab1Bが同一の膜構造に存在することを確認し、また内在性のRab1Bがオートファジー誘導時にオートファジー関連タンパク質Ulk1およびp62と共局在することを見いだした。これらの結果はRab1BがAtg9との相互作用を介して、直接的にオートファゴソーム形成に関与していることを示唆している。またRab1BのsiRNAノックダウンによりオートファジーが抑制されることを明らかにした。以上の結果を学術集会において発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度単離同定したAtg9Aを含む膜構造のプロテオーム解析を行い、複数の候補タンパク質を同定することに成功した。ここで得られたデータは今後Atg9とオートファゴソーム形成との関連性を明らかにしていく上で重要な知見となる。また同定タンパク質のうちRab1Bについては、より詳細な解析を行うことで、内在性のAtg9Aと確かに同じ膜構造上に存在することを確認し、Rab1Bが直接的にオートファゴソーム形成に関与することを示唆する結果を得ることが出来た。具体的な機能についての解析はまだ終了していないが、ノックダウン実験と蛍光顕微鏡観察、電子顕微鏡解析を組み合わせた解析を現在進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の計画通りに研究を推進する。同定したタンパク質のうち有望なものについての機能解析を行いAtg9と関連タンパク質のオートファゴソーム形成における具体的な機能を明らかにして行く予定である。また条件を変えることでAtg9を含むオートファゴソーム前駆体(隔離膜等)の単離も試みて、より後半のステップでオートファゴソーム形成に関わる因子の同定も並行して進めて行く。
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Causes of Carryover |
年度末(2015年3月21日から23日)に学会に参加したため。支出予定額(多少の余裕を持ったもの)に対する実際の支出との誤差が未使用分として残った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の一般試薬購入にあてる。
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Research Products
(4 results)