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2013 Fiscal Year Research-status Report

巨核球・血小板分化における低酸素応答制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 25860150
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

金井 麻衣  早稲田大学, 先端科学・健康医療融合研究機構, 招聘研究員 (30528526)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords細胞分化 / 巨核球 / 糖代謝 / 脂質代謝 / ミトコンドリア
Research Abstract

<目的>本研究では、in vitroで脂肪組織由来前駆細胞から巨核球・血小板へ分化誘導できる系を用いて、巨核球・血小板への終末分化過程における酸素微小環境変化に応答した代謝リモデリングの意義を明らかする。さらに、この代謝リモデリングに基づいた巨核球・血小板分化および産生機序を解明することで、in vitroで脂肪組織由来前駆細胞から効率良く血小板を産生する技術に繋がる研究基盤の構築を目指す。
<研究成果>本年度は、マウス脂肪前駆細胞3T3-L1細胞を用いて、巨核球分化過程における代謝のリモデリングについて、以下の3項目から検証した。
(1) 巨核球分化誘導に関与する代謝リモデリングの解析: 代謝経路を阻害する低分子化合物を用いて、巨核球への分化誘導効率の影響を解析した。その結果、糖代謝および脂質代謝のそれぞれの経路に作用する薬剤で、巨核球細胞表面タンパク質CD41の発現や核の多倍体化の抑制が観察された。この結果から、糖・脂質代謝のリモデリングが巨核球分化の重要な制御機構として働いていることが示された。
(2) 巨核球分化誘導に対する低酸素の影響解析: 低酸素応答因子HIF-2αによる巨核球への分化誘導効率の影響を、組換えアデノウイルスにより過剰発現させた細胞を用いて解析した。HIF-2αを過剰発現させると、CD41発現量および核の多倍体化が抑制されることを見出した。
(3) 巨核球分化誘導におけるミトコンドリアの機能解析: これまでに巨核球分化過程でミトコンドリア含量の増加が観察されている。本年度は巨核球分化過程でのミトコンドリア代謝関連因子の役割を解析すべく、ミトコンドリア代謝関連因子の発現量変化を経時的に解析した。その結果、ミトコンドリア呼吸鎖酵素の1つであるCOX1が分化誘導後一過的に発現上昇することを見出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究目的に掲げた3つ全ての項目に着手し、それぞれの項目においてほぼ当初の計画通り実験を進めることができた。研究成果としては、巨核球分化過程において、糖代謝および脂質代謝が変化していることを見出した(1)。また低酸素応答因子HIF-2αが巨核球分化過程に影響を及ぼしている可能性も示唆された(2)。さらに、巨核球分化過程でミトコンドリア代謝関連因子COX1の一過的な発現上昇も確認した(3)。
一方、研究実施計画項目(1)~(3)の研究成果として見出してくることが期待できる、巨核球分化を促進しうる遺伝子を、脂肪前駆細胞に過剰発現あるいは発現抑制させる系の立ち上げに予想以上の時間がかかってしまい、代謝制御候補因子を絞り込むことができなかった。したがって、平成26年度は立ち上げに成功した発現制御系を用いて、代謝制御候補因子が巨核球分化過程においてどのように発現変化するのか、詳細な解析を行い、分化誘導効率への影響を検証する必要があると考えている。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は、脂肪前駆細胞3T3-L1細胞からの巨核球分化過程における代謝変動について解明が進み、いくつかの代謝制御候補因子を見つけることができた。そこで、平成26年度は、3T3-L1細胞およびマウス鼠蹊部皮下脂肪組織より分離した初代培養脂肪前駆細胞を用いて、研究実施計画項目(1)~(3)をさらに深く推し進める。また研究計画項目各々から得られた結果間の関連性を検証し、巨核球分化を促進しうる代謝制御候補因子のさらなる絞り込みを行う。その後、代謝制御候補因子が正常な機能を有する血小板産生を活性化させることができるか否か、in vivoおよびin vitroで検証を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究の進捗により、新しく抗体やsiRNAを購入する必要が生じましたが、納品されるまでに時間がかかることが予想されたため、これらにかかる経費を次年度に繰り越させていただきました。
また本年度参加した学会の多くは首都圏での開催が多かったため、学会発表および学会参加のための旅費が予想より少なく済みました。
当初の計画通り、研究費のほとんどは消耗品として、巨核球・血小板分化誘導培地に必要な試薬購入費、in vitro細胞培養用プラスティック用品の購入、タンパク質・遺伝子発現解析にかかわる試薬購入費および実験用動物の飼育管理費などの一部を本研究費から支出いたします。また学会参加費を含めた発表のための旅費も計上しておりますが、これも予定通りであり、大きな変更は今のところ予定しておりません。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] Relevance of metabolic systems to in vitro megakaryocyte differentiation.

    • Author(s)
      Kanai M, Houkuwa K, Matsubara Y, Ikeda Y, Goda N.
    • Organizer
      第36回分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド
  • [Presentation] in vitroにおけるにおける巨核球分化誘導と代謝制御との関連性

    • Author(s)
      金井 麻衣, 法桑 かおり, 松原 由美子, 池田 康夫, 合田 亘人
    • Organizer
      私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 「ストレス応答制御に基づく次世代健康寿命科学の研究拠点形成」第二回成果報告会
    • Place of Presentation
      早稲田大学

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Published: 2015-05-28  

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