2015 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞の分化におけるノンコーディングRNAの機能解析と治療への応用
Project/Area Number |
25860151
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
常陸 圭介 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教 (10508469)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ノンコーディングRNA / 細胞分化 / RNA結合タンパク質 / 骨格筋萎縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究から、我々は骨格筋細胞の分化制御に関わる新規ノンコーディングRNAとしてmyogenin遺伝子の転写調節領域に由来するMyog pancRNAを同定し、Myog pancRNAと相互作用する2種類のRNA結合タンパク質(Ddx17とhnRNPK)を同定する事に成功している。本年度は、Myog pancRNAと相互作用するDdx17とhnRNPKの筋分化における機能を明らかにする事で、ノンコーディングRNAやRNA結合タンパク質を筋分化や骨格筋疾患の制御へと応用できないか検討を行った。 ノックダウン実験により、Ddx17は筋分化の促進、hnRNPKは筋分化の抑制に機能している事が明らかとなった。また、これらのRNA結合タンパク質とMyog pancRNAとの結合を阻害した場合に、myogenin遺伝子のプロモーター活性に影響が認められた。さらに、次世代シークエンサーを用いた解析から、Myog pancRNAとDdx17が多数の共通した骨格筋分化関連因子を標的としている事が判明した。これらの結果から、Ddx17やhnRNPKがノンコーディングRNAとの相互作用を通じて骨格筋細胞の分化制御を行っている事が明らかとなった。 本年度はこの他に、骨格筋萎縮とノンコーディングRNAとの関係性の解析を行った。Myogenin遺伝子は筋分化のみならず神経原性の骨格筋萎縮にも関与する事が知られているため、除神経による筋萎縮時にMyog pancRNAの発現がどのように変動するかを解析した。その結果、除神経によるMyogenin遺伝子の発現増加とともに、Myog pancRNAの発現も向上する事が明らかとなった。以上の結果から、Myog pancRNAは筋分化のみならず骨格筋の萎縮にも関与するノンコーディングRNAである事がわかり、Myog pancRNAは筋萎縮に対する新たな治療標的になり得ると考えられる。
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