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2013 Fiscal Year Research-status Report

Scott症候群のモデル動物としてのTMEM16Fノックアウトマウスの評価と利用

Research Project

Project/Area Number 25860162
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

藤井 俊裕  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30580104)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
Keywords血小板 / Scott症候群 / ホスファチジルセリン / マイクロパーティクル / 血液凝固 / 血栓
Research Abstract

血小板は活性化すると、通常時に膜の細胞質側に存在しているホスファチジルセリン(PS)を細胞表面に露出することが知られている。露出したPSは、凝固因子が反応する足場となり、トロンビン産生を促進する。申請者の研究室では、細胞内カルシウム濃度の上昇に伴い、PSを細胞表面に露出させるタンパク質としてTMEM16F遺伝子を同定した。さらに活性化したときでも細胞表面にPSが露出しない異常な血小板を有する、Scott症候群の患者から、TMEM16F遺伝子が変異していることを発見した。本研究課題は、TMEM16F遺伝子がScott症候群の責任遺伝子であるかを評価する。
平成25年度は、まずTMEM16F遺伝子を欠損した血小板をもつマウスTMEM16Fflox/flox;PF4-Creマウスを作製した。TMEM16Fの欠損した血小板が、活性化時に細胞表面にPSを露出するかを調べるため、1mM CaCl2存在下で、トロンビンとコラーゲンで血小板を活性化させた。野生型の血小板では細胞表面にPSの露出が確認できたが、TMEM16Fを欠損した血小板では、細胞表面へのPSの露出を確認することができなかった。 さらに活性化した野生型の血小板ではマイクロパーティクルと呼ばれる微小な小胞を放出するが、 TMEM16F欠損した血小板は、マイクロパーティクルの放出を確認する事ができなかった。
TMEM16F欠損血小板を用いたトロンビン活性化能を調べる実験では野生型の血小板に比べて、TMEM16F欠損した血小板のトロンビン活性化能は有為に減少している事が確認された。
TMEM16Fflox/flox;PF4-Creマウスの血管内で血栓形成を引き起こし、それをリアルタイムで観察すると、野生型に比べて血栓の形成が不安定であることが確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在までTMEM16Fが欠損したマウスを用いた解析から、
(1)TMEM16Fは活性化した血小板の細胞膜表面へのPSが露出することに必須であること (2)PSが露出しない結果、血栓形成に重要な酵素であるトロンビンの活性化が減弱していること (3)血小板のマイクロパーティクルの形成に重要であること (4)in vivoにおいてTMEM16F欠損した血小板をもつマウスは生体の血管内での血栓形成が生じにくいこと を明らかにした。
これらの結果によってScott症候群の原因遺伝子がTMEM16F遺伝子であることは示せた。以上より、平成25年度の研究計画書の予定通り進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

TMEM16F欠損した血小板を用いたこれまでの研究をさらに発展していく予定である。マウスにおいても活性化した血小板がマイクロパーティクルを形成する過程で、TMEM16Fが重要あることがわかった。その詳細なメカニズムはこれまでに報告されていない。マイクロパーティクルは心臓や脳での血栓形成や関節リューマチの発症に重要であることが過去の研究で報告されている。血小板のマイクロパーティクルの放出メカニズムを明らかにすることは、医学、創薬の点でも重要であると考える。そのため、血小板のマイクロパーティクルの形成とTMEM16F遺伝子の解析を行う予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度の研究で用いた試薬の多くは研究室に揃っており、ほとんどの実験はそれら試薬で間に合った。
平成26年度の使用計画は、これまでに得られた研究結果を学会で発表するための旅費として用いる。さらに研究で使う消耗品、培地、FCSなどを購入する予定である。また野生型マウスの購入費に当てる予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Calcium-dependent Phospholipid Scramblase Activity of TMEM16 Protein Family Members2013

    • Author(s)
      Suzuki Jun, Fujii Toshihiro, Imao Takeshi, Ishihara Kenji, Kuba Hiroshi, Nagata shigekazu
    • Journal Title

      Journal of Biological Chemistry

      Volume: 288 Pages: 13305-13316

    • DOI

      10.1074/jbc.M113.457937

    • Peer Reviewed
  • [Remarks] 長田重一研究室 京都大学大学院医学研究科 医学専攻 分子生体統御学講座 医化学分野

    • URL

      http://www2.mfour.med.kyoto-u.ac.jp/~nagata/

URL: 

Published: 2015-05-28  

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