2013 Fiscal Year Research-status Report
Protein 4.1Rによるマスト細胞の脱顆粒制御機構の解明
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25860168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90380667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 分泌顆粒 / イメージング / 共焦点顕微鏡 |
Research Abstract |
【成果】①ラットマスト細胞RBL-2H3およびヒトマスト細胞HMC-1における分泌顆粒の観察システムを構築した。蛍光相関分光法(FCS)によってprotein 4.1Rおよびそのバリアントである4.1Gの細胞内動態を観察した。成果をH25年日本生化学会大会(2013年9月11~13日、パシフィコ横浜)で発表した、さらに4.1R、4.1G、および分泌顆粒マーカータンパク質(CD63、VAMP7、NPY、VMAT2、Rab27)について、波長の異なる3種類の蛍光タンパク質と融合・共発現させ、分泌顆粒上でのそれぞれの共局在性および動態を共焦点顕微鏡によって観察した。②GFPを利用した新規顆粒観察法を構築した(H26年度実施計画として申請)。同法を利用し、マスト細胞内の分泌顆粒について、その個数・体積・形状・結合タンパク質の有無、および脱顆粒の有無に基づいた分類を試みた。成果はH26年日本膜学会大会(2014年5月12~13日、早稲田大学)にて発表予定であり、現在論文発表準備中である。 【意義と重要性】分泌顆粒の細胞内制御機構については、なお不明な点が多い。このため、研究成果①において、制御タンパク質の候補として4.1Rおよびバリアント(4.1G)の関与を示したことは重要である。さらに、研究成果②において、新規観察法を開発したことで、これまで困難であった分泌顆粒の個別分析が可能となり、個数や体積、表面積など数値的なパラメータに基づく解析ができるようになった。本研究成果により、顆粒制御機構の解明に貢献することができると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の目的である「分泌顆粒におけるProtein 4.1R結合分子の同定」は、今のところ達成できていない。この原因は、4.1Rの分泌顆粒への局在という形質が細胞の状態(細胞周期?)によってまちまちであり、明瞭に観察できる条件を特定できていないためである。申請者は研究条件の模索の中で、4.1Rのバリアントであるprotein 4.1Gが、より顕著な分泌顆粒局在性を示すことを見出したが、これについても結合分子の同定は途上であり、研究を継続している。 このような膠着した状況であるため、H26年度実施予定であった「GFPを利用した分泌顆粒イメージング法の開発」も並行して着手した。こちらは順調に進行しており、分泌顆粒の個々の計測に基づいて脱顆粒機構を評価することが可能となった。この成果は独立した研究成果として、現在学会発表(H26年度日本膜学会)および学術誌への論文投稿を準備している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き4.1Rについて調査してゆく方針であるが、形質の安定した発現について改善がなされない場合は、なるべく早い段階で研究計画の見直しを検討する。その場合は、現在順調に進行している「顆粒イメージング法の開発(前述)」に比重を移し、同法に立脚して脱顆粒機構の解明を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の修正によりH25年度使用額が不足したため。 H26年度使用額と合算し、物品費として使用する。
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