2014 Fiscal Year Annual Research Report
Protein 4.1Rによるマスト細胞の脱顆粒制御機構の解明
Project/Area Number |
25860168
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田中 正太郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (90380667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | マスト細胞 / 分泌顆粒 / ライブセルイメージング / 共焦点顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アレルギー症状のエフェクター細胞であるマスト細胞について、アレルギー物質の貯蔵庫である「分泌顆粒」の制御機構の解明を目指すものである。 当初、制御タンパク質としてProtein 4.1Rに注目していた。しかし残念ながらモデル細胞での表現系が微弱であり、詳細な解析には至らなかった。しかし研究の過程で、分泌顆粒の新しい観察方法を発案することができた(論文投稿中)。 マスト細胞の分泌顆粒は、直径1μm程度という大きいもので、1000を超える数が細胞内に密集している。さらに様々な成長段階や種類の分泌顆粒が存在する。このため、これまで詳細な観察は、固定細胞を用いた電子顕微鏡によるものに限られていた。 本研究で開発したのは、GFPネガティブコントラストイメージングという方法であり、細胞質に発現させたGFPによって分泌顆粒の陰性造影を行う。分泌顆粒の可視化にマーカータンパク質を必要としない為、生細胞の分泌顆粒を、種類や状態を問わずもれなく観察することが可能である。これによって、分泌顆粒の形成過程を連続的に追跡できるようになった。また、高コントラストの細胞像を提供するため、細胞の三次元像構築が容易である。これによって、分泌顆粒一つ一つの構造情報(直径、体積、表面積)や細胞内分布、細胞本体や核の形状や体積情報を得ることができた。 このように、①あらゆる分泌顆粒を観察できる②構造情報が得られる③細胞本体や核の構造情報も得られる、という特徴から、本方法は分泌顆粒研究の基盤技術となる可能性を有しており、分泌顆粒制御機構の解明への貢献が期待できる。 本方法はこれまでに、日本生化学会本大会(2014年)、日本膜学会本大会(2014・2015年)、アメリカ細胞生物学会(ASCB、2014年)で発表しており、現在論文投稿中である(Scientific Reports)。
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Research Products
(4 results)