2014 Fiscal Year Annual Research Report
フラボノイドの作用機序から探る細胞保護作用の発動機構の解明
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25860187
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松島 充代子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10509665)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フラボノイド / Nrf2 / heme oxygenase |
Outline of Annual Research Achievements |
フラボノイドは天然の機能性成分で抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗酸化作用などを有する。フラボノイドは転写因子Nrf2 (nuclear factor erythroid 2-related factor 2)を介したheme oxygenase (HO)-1の活性化により多彩な細胞保護作用を示すことを明らかにしてきた。本研究ではフラボノイドによる刺激でNrf2が活性化する機序を解明することを目的とした。 フラボノイドによるHO-1誘導能を持たない細胞とHO-1誘導能を持つ細胞を用いて、フラボノイドとNrf2の活性化を中継する分子の探索を試みたが、特定の分子を同定するまでには至らなかった。そこで次に、これまでにフラボノイドの細胞保護作用発揮に関与することを見出しているphospholipase D、caveolin-1、STIM1などの分子のうち、HO-1の発現を負に調節することが報告されているcaveolin-1について検討した。細胞はマウス線維芽細胞株NIH3T3細胞を使用し、フラボノイドはHO-1を強く誘導することが分かっているケルセチンを使用した。細胞膜の脂質ラフトに多く発現するGM1やcaveolin-1の発現を評価することによりケルセチンによる脂質ラフトの構造変化を確認し、ケルセチンは脂質ラフトを破壊する可能性が示唆された。さらにcaveolin-1はケルセチン曝露後に、細胞質および核へと移行することが明らかとなった。Nrf2は定常状態で細胞膜にも発現しており、caveolin-1と同様にケルセチン処理後に細胞膜分画で減少し、細胞質および核分画へ移行した。以上の結果より、ケルセチンは細胞膜に作用し、caveolin-1を脂質ラフトから剥離し、細胞質および核へと移行させることでNrf2/HO-1を活性化する可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)