2013 Fiscal Year Research-status Report
アミノ酸シグナルを担うトランスポーター依存的mTOR活性化機構の解明
Project/Area Number |
25860189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
忠垣 憲次郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教(常勤) (30416268)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シグナル伝達 |
Research Abstract |
アミノ酸に対する細胞応答は、mTOR(mammalian target of rapamycin)シグナル系が担っているが、アミノ酸の取り込みからmTORへ至る経路には不明な点が多い。そこで、アミノ酸トランスポーターLAT1の阻害薬と高感度化網羅的リン酸化プロテオミクスを駆使して、LAT1からmTORに至るシグナル経路を解明し、LAT1を介して引き起こされる細胞応答の全貌を明らかにすることを研究の目的として研究を進行させている。初年度である平成25年度は、LAT1を介して引き起こされる細胞応答の全貌を明らかにするため、LAT1競合阻害薬であるBCHの存在下または非存在下でHeLaS3細胞をロイシンで刺激し、細胞溶解物から得られたリン酸化タンパク質を網羅的比較定量リン酸化プロテオミクスにより解析した。その結果、HeLaS3細胞においてロイシンによりリン酸化が促進されたタンパク質を520個同定し、そのうちBCH感受性のタンパク質は364個、BCH非感受性のタンパク質は156個であった。得られたデータを遺伝子ネットワーク/パスウエイ解析ソフトIPAを用いて解析した結果、LAT1を介したロイシンの取り込みは、翻訳プロセスに関連するリン酸化タンパク質を制御するだけでなく、転写、細胞周期調節及び細胞構造など様々な細胞応答を担うタンパク質のリン酸化を誘導することが明らかになった。ロイシンによりリン酸化が亢進しLAT1阻害薬によりリン酸化が抑制されるタンパク質には、LAT1を介したロイシンの取り込みで活性化されるシグナル経路に関与する因子が含まれるため、候補となる因子の選別を進行させている。以上の成果をもとに次年度は、この候補因子の機能を解析し、LAT1からmTORに至るシグナル経路への関与を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度中に候補因子の選別を予定していたが、同定したタンパク質の数が少なかったため、候補因子の選別を行うことができなかった。まだ選別中であるため、達成度にやや遅れが認められる。
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Strategy for Future Research Activity |
候補因子の選別終了後、候補因子の解析は研究計画通りに進めていく。特に計画の変更予定、遂行する上での課題等はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度で研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額に差が生じた。 次年度の研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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