2014 Fiscal Year Research-status Report
Effects of Lidocaine derivatives on cancer pain; the specific blockade of primary sensory neurons expressing transient receptor potential channels.
Project/Area Number |
25860199
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
宮野 加奈子 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (50597888)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TRP / 疼痛 / がん / 抗がん剤 / 末梢神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、満足できる疼痛コントロールができているがん患者は少なく、より効果的な鎮痛薬の開発が求められている。近年、がん性疼痛に一次知覚神経に発現する6回膜貫通型陽イオンチャネルtransient receptor potential (TRP) superfamilyのTRPV1やTRPA1などが重要な役割を果たすことが明らかとなっている。そこで本研究は、TRP発現神経特異的遮断候補薬として局所麻酔薬リドカイン誘導体に着目し、in vivo及びin vitro実験系を用いてリドカイン誘導体の薬理作用、ならびにがん性疼痛に対する鎮痛効果を評価し、臨床試験に向けて必要な基礎的データを蓄積することを目的とした。 当該年度は、リドカイン誘導体の薬理作用について解析するために、in vitro実験系ではTRPV1とvoltage-gated Na+ channel (Nav)を発現させたhuman embryonic kidney 293 (HEK293)細胞を用いてリドカイン誘導体の薬理作用について解析した。その結果、リドカイン誘導体単独処置ではNav活性に無影響であったものの、TRPV1アゴニストとリドカイン誘導体を同時処置するとNav活性を抑制することを見出した。したがって、リドカイン誘導体はTRPV1を介してNav活性を抑制する可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitro実験においてはTRPV1-Nav共発現HEK293細胞を用いてリドカイン誘導体の薬理作用について解析できたため、in vitro実験はおおむね順調に進展していると考えている。しかし、in vivo実験においては、国立がん研究センター研究所 動物実験施設における動物実験計画書の申請・承認に時間がかかってしまい、加えて承認を得たものの動物実験施設にて水漏れ・感染事象が発生し、その復旧工事および除染のため動物実験を一時中止せざるを得なかった。したがって、当研究は平成25~26年度の2年間で行うこととなっていたが、平成27年度まで科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長を申請し承認を得た。以上により、当概年度の達成はやや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は、平成25年度に作製したTRPV1-Nav発現HEK293細胞を用いてリドカイン誘導体の薬理作用について解析した。今後は、TRPV1-Nav発現HEK293細胞を用いて、更なる詳細なメカニズム解明を行う。加えて、TRPA1-Nav発現HEK293細胞も用いて同様にリドカイン誘導体の薬理作用の解析を行う予定である。また、動物実験施設の工事・除染が終了したので、平成26年度に本来行う予定であった動物実験をすみやかに開始する予定である。
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Causes of Carryover |
当研究は平成25~26年度の2年間で行うこととなっていたが、平成27年度まで科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長するために、日本学術振興会へ申請書を提出し承認を得た。直接経費の請求額は平成26年度1,600,000円となっていたが、実験の進捗に合せて平成25年度終了までに316,884円を執行し、残りの1,283,116円を平成26年度に繰り越した。平成26年度は直接経費962,095円を執行し、平成27年度は1,921,021円繰り越す。その理由としては、平成26年に計画していた動物実験が平成27年度へ移行したからである。平成27年度は動物実験ならびに平成26年度から行っている電気生理学実験の両方を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、請求額1,600,000円と繰り越し分を合せ以下の予算にて研究を遂行する:物品費:1,208,997円、旅費:486,900円、その他:225,124円 平成26年度の研究費は上述した研究推進方策を進めるために必要な実験動物や、試薬および実験器具の購入などに充当する予定である。具体的には、real time PCRに必要なプライマーやSYBR Green I、western blottingや免疫組織化学染色に必要な抗体、ELISAキット、電気生理学実験に必要な電極などの消耗品の購入に充てる。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Tramadol and its metabolite M1 selectively suppress the activity of the transient receptor potential ankyrin 1, but not that of the transient receptor potential vanilloid 1.2015
Author(s)
Miyano K, Minami K, Yokoyama T, Ohbuchi K, Yamaguchi T, Murakami S, Shiraishi S, Yamamoto M, Matoba M, Uezono Y.
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Journal Title
Anesth Analg.
Volume: 120
Pages: 790-798
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Novel methods of applying direct chemical and mechanical stimulation to the oral mucosa for traditional behavioral pain assays in conscious rats.2015
Author(s)
Hitomi S, Ono K, Miyano K, Ota Y, Uezono Y, Matoba M, Kuramitsu S, Yamaguchi K, Matsuo K, Seta Y, Harano N, Inenaga K.
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Journal Title
J Neurosci Methods
Volume: 239
Pages: 162-169
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] A novel assay for detecting the activation of G protein-coupled receptors using cellular dielectric spectroscopy.2015
Author(s)
Miyano K, Sudo Y, Yokoyama A, Nishimura H, Kawaida M, Sato S, Nemoto E, Nakashima K, Takebayashi M, Morioka N, Shiraishi S, Higami Y, Fujii H, Nakata Y, Uezono Y.
Organizer
第88回日本薬理学会年会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県・名古屋市)
Year and Date
2015-03-18 – 2015-03-20
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