2013 Fiscal Year Research-status Report
新規CellKeyアッセイ法によるヘテロ二量体化受容体の特性解析ならびに薬物探索
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25860200
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
須藤 結香 東京理科大学, 薬学部, 助教 (70646695)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オピオイド受容体 / カンナビノイド受容体 / GPCR / 二量体 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
オピオイド受容体をはじめとする二量体化受容体活性化の分子メカニズムを解明し、効果的な鎮痛作用を持つオピオイド製剤や二量体化受容体に活性を有する薬剤の組み合わせを探索することを目的とし、研究を行った。1年目は、二量体化受容体の活性のみを特異的にとらえ薬効評価を可能とするCellKeyシステムを用いて、評価方法の条件検討・最適化を行った。 まず、ヒトμ、δ、κオピオイド受容体ならびにヒトカンナビノイドCB1受容体クローンを用いて、単独受容体発現ベクターを作製した。それぞれのクローンベクターをHEK293細胞に導入し安定発現株を作成した後、CellKeyシステムを用いて特異的アゴニスト処置による濃度依存的なインピーダンス変化を検出し、受容体活性の評価法を確立・最適化を行った。加えて本邦で臨床に用いられているモルヒネ、フェンタニル、オキシコドン製剤について、各種受容体安定発現株への活性評価を行ったところ、オピオイド受容体のサブタイプごとで活性は異なり、またCB1受容体には活性は認められなかった。得られたインピーダンス波形はGi/o共役型と推定される上向き形状を示し、Gi/o蛋白質シグナル特異的阻害剤であるPTX(百日咳毒素)で完全に抑制された。 さらに各クローンベクターを一過性に発現させた細胞でもCellKeyを用いた受容体活性が評価できるかを試みたところ、COS7細胞に一過性に発現させた各受容体の活性アゴニスト依存的に検出することができた。加えて、Gi/o以外の共役受容体活性についても同様に検出可能であった。以上、安定発現細胞に加え一過性発現細胞でも受容体活性を評価できるアッセイ系を構築できた。一過性発現細胞アッセイ系は、解析したい受容体の安定発現細胞を作成することなく用いることができるため、解析したい受容体の組み合わせを自由に選択でき、今後の研究の幅が拡がるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目の課題であるCellKeyを用いた測定条件の最適化について、検討項目であったホスト細胞腫の選択、細胞数、プレートのコーティング条件の最適化をすべてクリアーすることができた。加えて、安定発現細胞株だけでなく一過性発現細胞においても、細胞種・細胞数・遺伝子導入条件等を検討した結果、一過性発現細胞を用いてCellKeyアッセイが可能となる条件を設定できた。本システムを用いることでさらに研究は加速化されると確信する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に確立・最適化した二量体化オピオイド受容体の機能評価方法を用いて、実際にヘテロの二量体化受容体発現ベクターを構築し、CellKeyシステムで評価可能な細胞株を作製する。初年度において得られた単量体受容体発現株と比較し、異なる反応を示す薬物の同定を行う。また独自に開発した、一過性発現細胞アッセイ系を用いて、既存のオピオイド製剤に加え、新規骨格を有するオピオイド受容体作動薬(研究協力者より譲渡いただく)、ならびに近年論文で報告のあった二量体化受容体特異的アゴニストについても、単量体受容体との活性比較を行う。 さらに一過性発現細胞系を用いることで可能となる、他のGPCRの組み合わせや特異的化合物の候補を解析し、新たな二量体化受容体を同定できれば、従来用いられている既存の受容体活性評価法と合わせ、二量体化受容体の総合的なシグナル解析を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題において今年度使用した消耗品の該当金額はおおむね妥当であった。 消耗品の単価が高額のために端数が生じてしまったため、次年度に繰り越しとした。 次年度分の使用額として本年度繰り越した金額を合計しても、翌年度分使用予定の金額と大差はなく、当初の計画申請書通り、主に受容体アゴニスト・アンタゴニスト、シグナル阻害剤等の試薬類と、薬効評価系に必要なCellKey専用プレートの購入に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Novel Delta Opioid Receptor Agonists with Oxazatricyclodecane Structure.2014
Author(s)
Hideaki Fujii, Kohei hayashida, Akiyoshi Saitoh, Akinobu Yokoyama, Shigeto Hirayama, Takashi Iwai, Eriko Nakata, Toru Nemoto, Yuka Sudo, Yasuhito Uezono, Mitsuthiko Yamada, Hiroshi Nagase.
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Journal Title
ACS Medicinal Chemistry Letters
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] New cancer cachexia rat model generated by implantation of a peritoneal dissemination-derived human stomach cancer cell line.2013
Author(s)
Kiyoshi Terawaki , Yumi Sawada , Yohei Kashiwase , Hirofumi Hashimoto , Mitsuhiro Yoshimura , Masami Suzuki , Kanako Miyano , Yuka Sudo , Seiji Shiraishi , Yoshikazu Higami , Kazuyoshi Yanagihara , Yoshio Kase , Yoichi Ueta , Yasuhito Uezono
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Journal Title
American Journal Physiology Endocrinology and Metabolism.
Volume: 306(4)
Pages: 373-87
DOI
Peer Reviewed
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