2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25860226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | DNAVEC Corporation |
Principal Investigator |
伴 浩志 ディナベック株式会社, その他部局等, 研究員 (60373544)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | RNP / センダイウイルスベクター / 温度感受性 / iPS細胞 |
Research Abstract |
緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を搭載したセンダイウイルスベクターのRNPを新生児包皮由来の線維芽細胞(BJ細胞)にトランスフェクション試薬であるFugeneを用いて導入を試みた。4日後にGFPの蛍光を蛍光顕微鏡で観察したが、その導入効率は悪く、~1%位であった。 iPS細胞を作製するためのセンダイウイルスベクターからRNPの生産を行った。具体的には、KLF4遺伝子搭載センダイウイルスベクター、KLF4遺伝子、OCT3/4遺伝子、SOX2遺伝子を1つのベクターに搭載した温度感受性センダイウイルスベクター、c-MYC遺伝子を搭載した音素感受性センダイウイルスベクターからRNPの生産を行い、全てのベクターからの生産に成功した。電気泳動にて精製度を確認し、純度の良好なRNPであることを確認した。 このRNPをBJ細胞に導入を行いiPS細胞の誘導を試みた。Fugeneを用いて3μgおよび5μgの各RNPを細胞に導入し、培養を行った。その結果、iPS細胞様のコロニーを誘導することが出来た。この誘導細胞は、マーカーであるアルカリホスファターゼ活性を示し。誘導効率は、3μgのRNPを用いた場合が0.00145%であり、5μgの場合は0.0004%であった。上記のセンダイウイルスベクターを用いた場合のiPS細胞の誘導効率は、通常1%以上であるため、誘導効率については、センダイウイルスベクターを用いた場合の方が、RNPを用いた場合よりも良好であると考えられた。RNPを用いた場合ウイルスベクターを用いた場合よりも7日間程度長く時間を要した。これは、導入経路の違いを示唆している。誘導されたiPS様細胞は、継代が可能であった。12クローンをピックアップし、そのうち8クローンが増殖し、ストックの作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定したiPS細胞誘導用の温度感受性RNPベクターの開発に成功した。現在は、誘導されたiPS様細胞の評価を行っている。遅れている理由は、RNPの生産がうまく出来ずに時間を要したことや、RNPの細胞への導入効率が予想よりも低くiPS細胞への誘導に時間を要したため、である。
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Strategy for Future Research Activity |
RNPにより誘導されたiPS様細胞が、iPS細胞であることの証明を行う予定である。具体的には、幹細胞のマーカー遺伝子を発現してるかどうかを核酸レベル、タンパク質レベルで評価する。また、多分化能を有しているかどうかをテラトーマを形成させて、3胚葉への分化を確認する。 温度感受性センダイウイルベクターのRNPを用いて、温度による制御を評価する。 LLC-MK2細胞にP、L遺伝子を導入し、温度感受性ベクターの遺伝子発現を指標として発現細胞の樹立を試みる。 分化誘導用のRNPベクターの開発として、SOX2遺伝子を搭載した温度感受性センダイウイルスベクターのRNPを用いて神経細胞への分化を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RNPの生産に時間が掛かり、実験が遅れたため。 RNPの細胞への導入効率が予想よりも悪く、iPS細胞の誘導に時間を要したため。 RNPにより誘導したiPS細胞の評価(マーカー遺伝子発現、多分化能評価)のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)