2013 Fiscal Year Research-status Report
前駆内臓脂肪細胞の同定とそれを用いたメタボリックシンドローム治療薬の創出
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25860237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮田 佑吾 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (70623453)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 内臓脂肪細胞 / 前駆脂肪細胞 |
Research Abstract |
現在までに前駆内臓脂肪細胞および前駆皮下脂肪細胞を同定することに成功している。これらの細胞は初代培養下では全ての細胞が脂肪細胞へと分化することを確認している。しかし、継代を行うと著しく分化効率が低下するため、実験的に各種の検討をこの細胞で行うことは不可能である。そこでこの課題を解決するため、前駆脂肪細胞を培養する過程で種々の添加物を加えるあるいは培養基面に加工を施すことで脂肪細胞への分化効率が向上するかを検討した。分化効率の検討はOil Red O染色を定量化することと培養上清中のアディポネクチン濃度を測定することで行った。 まず、培養中の細胞に種々の添加物を加えることで継代培養が可能になるかを検討した。その結果、添加物存在下では前駆皮下脂肪細胞において2回の継代であればOil Red O染色の定量値およびアディポネクチン濃度が初代培養の80%以内に収まっていることが分かった。ところがその条件下でも、前駆内臓脂肪細胞では十分な分化効率を得られず、継代培養法としては不十分であった。 次に培養基面に加工を施し、前駆内臓脂肪細胞および前駆皮下脂肪細胞が継代可能になるかを検討した。その結果、前駆皮下脂肪細胞においては培養基面の加工の効果はそれほど見られなかった。一方、前駆内臓脂肪細胞においては加工された培養基面で培養することにより分化効率の上昇がみられた。 以上より、前駆皮下脂肪細胞の継代培養はある程度可能であることが示されたが、前駆内臓脂肪細胞においては更なる検討が必要であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、前駆皮下脂肪細胞の継代培養法の確立にはおおむね目途が立っている。前駆内臓脂肪細胞の継代培養法の確立に関しても大まかな方向性は示されており、本研究課題はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
まず前駆内臓脂肪細胞の継代培養法の確立を目指す。そのため、培養基面の加工法に関して詳細な検討を行う。また前駆内臓脂肪細胞の継代培養を可能にする液性因子の検討も行う。さらに継代を行った細胞が元の形質を維持しているかをリポリシス能やアディポサイトカイン分泌能で確認する。以上が確認されれば悪玉内臓脂肪細胞を善玉化する因子のスクリーニングを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前駆内臓脂肪の継代培養法確立に課題が出たため、実験が限定されてしまったことによる。 前駆内臓脂肪細胞の継代培養法の確立にも大まかな方針が決まったので、今年度は培養機材および実験動物を多く購入予定である。
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