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2013 Fiscal Year Research-status Report

抗肥満薬開発を目指したヒストンメチル化酵素SETDB1の活性制御法の開発

Research Project

Project/Area Number 25860253
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

橘 敬祐  大阪大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (30432446)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
KeywordsSETDB1 / ヒストンメチル化酵素 / 相互作用解析 / 細胞内局在
Research Abstract

本研究課題では、酵素活性部位の構造と機能の相関、活性制御に重要な複合体形成制御機構の解明、および、細胞内局在の解析を行うことで、SETDB1の活性制御法を開発することを目的とする。
これまでに著者らは、C末端側のSETドメインに加え、N末端側の領域が活性に必要であることを明らかにしている。そこで、SETDB1の構造と機能の相関を明らかにするために、この領域にGSTタグを付加したタンパク質を昆虫細胞Sf9細胞に発現させた。発現したタンパク質をアフィニティクロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーにより精製した。最終精製物をSDS-PAGEにより解析した結果、2本のメインバンドが認められた。特異的抗体を用いた解析より、これら2本のバンドはいずれもSETDB1由来のものであった。現在、この精製物を用いて結晶化を試みている。
次に、SETDB1の活性制御に重要な役割を果たすMCAF1との相互作用様式について解析した。SETDB1およびMCAF1のそれぞれの欠失変異体を用いて免疫沈降法により相互作用に必要な領域を解析した結果、SETDB1の195アミノ酸残基からなる領域が、MCAF1の103アミノ酸残基からなる領域と相互作用することが明らかになった。今後、これらの領域を用いて相互作用様式を明らかにする。
さらに、SETDB1の細胞内局在を解析するために、GSTタグ、もしくはEGFPタグを付加した種々欠失変異体を作製した。GSTタグを付加したN末端側を順次欠失させたSETDB1を細胞に発現させた結果、いずれの変異体も細胞質に局在した。また、N末端側のみ、もしくはC末端側のみをEGFPに付加した変異体も細胞質に局在した。従って、SETDB1は通常細胞質に存在するが、何らかのシグナルを受けて核に移行し、ヒストンをメチル化すると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ヒストンメチル化酵素活性を持つSETDB1の部分タンパク質を精製した結果、2本のメインバンドからなることが明らかになった。特異的抗体を用いた解析より、これら2本のバンドはいずれもSETDB1由来のものであった。昆虫細胞Sf9を用いて発現させたことから、これらはSETDB1の翻訳後修飾の状態が異なるものであると考えられた。今後はこれらを用いて結晶化を進めると共に、翻訳後修飾によって活性が異なるか否かについても明らかにしていきたい。
一方、SETDB1とMCAF1との相互作用の解析に関しては、計画通りに結合に必要な最小領域を決定できた。今後、これらを用いて相互作用様式を解析する。
さらに、種々欠失変異体を用いて局在を解析した結果、興味深いことにいずれの変異体も細胞質に存在することが分かった。これらのことは、核内でヒストンメチル化を行うSETDB1は通常細胞質に存在し、何らかのシグナルに応答して核に移行して機能を発揮する可能性を示唆しており、本結果は非常に意義深い。

Strategy for Future Research Activity

現在まで、計画通り順調に研究が進んでおり、今後も研究計画調書にそって研究を進めていく。具体的には以下のとおりである。
1. 発現・精製したSETDB1のC末端側の欠失変異体を用いて、結晶化の条件を検討し、構造解析を行う。さらに、平成25年度に明らかにしたSETDB1が翻訳後修飾を受けることについて、翻訳後修飾の種類を同定すると共に、活性への影響についても調べる。
2. 同定したSETDB1とMCAF1の相互作用領域を用いてタンパク質を発現・精製し、構造情報を得る。さらに、これら情報をもとに相互作用の制御法を開発する。
3. SETDB1の細胞内局在を解析するため、SETDB1安定発現細胞株を樹立する。それら細胞株に各種シグナル阻害剤・活性化剤を添加した時の局在変化を解析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

いずれの実験も概ね計画書通りに進行している。なお、通常、タンパク質間の相互作用解析においては、欠失変異体を多数作製しそれぞれについて解析を行っていく。今回、SETDB1とMCAF1との相互作用解析においては、いくつかの変異体を作製した段階で解析を行った結果、幸運にも相互作用領域を同定することができた。従って、この研究に関しては効率よく進み経費が最小限に抑えられ、次年度使用額が生じた。なお、この結果は、次年度以降の計画には影響を及ぼすものではなく、次年度も計画通りに研究を進行させる。
当初の予定通り、発現・精製したSETDB1タンパク質を用いて構造を解析するために、タンパク質の精製・結晶化に必要な器具や試薬を購入する。
また、SETDB1の機能を解析する上で、細胞生物学的手法、分子生物学的手法、生化学的手法を駆使したアッセイが必要なため、それらに関わる細胞培養用培地、血清やプラスチック器具、酵素、キット類の試薬の消耗品を購入する。
さらに、得られた研究成果を学会で発表するための国内旅費、および、論文投稿料も必要とする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ヒストンメチル化酵素 SETDB1 の酵素活性と翻訳後修飾の解析2013

    • Author(s)
      川又那津子, 石本憲司, 内原佳恵, 後藤英子, 垣之内啓介, 溝端栄一, 望月康弘, 酒井寿郎, 井上豪, 児玉龍彦, 橘敬祐, 土井健史
    • Organizer
      第63回 日本薬学会近畿支部総会・大会
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      20131012-20131012

URL: 

Published: 2015-05-28  

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