2016 Fiscal Year Annual Research Report
Landscape of chromosomes and disease with advanced genomic analysis
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25860258
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
右田 王介 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20425721)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ゲノム / マイクロアレイ / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトのゲノム遺伝情報は構造変化や発現制御、様々な修飾によってダイナミックな制御を受けている。本研究では、染色体構造に着目し大規模ゲノム解析技術を用いた染色体構造解析を行った。得られた知見を比較データとして用い周産期・小児領域での疾患や異常の応用的解析も実施した。解析したコピー数変化(CNV)のデータの標準データとして有用性が示され、成果は日本人集団の構造変異のコントロール・データとして公表した。独自のデータベースとしての公開も準備中であり、このようなCNVの断端の特徴をとらえ疾患の機序の理解に貢献している。 近年の技術発展によりゲノム全体にわたってコピー数変化を詳細に検討することができるようになった。しかし、比較すべき対照とする正常データの蓄積は不十分である。本研究で収集した日本人集団は特記すべき疾患歴がないというだけではなく、妊娠分娩あるいは生産児にあきらかな異常を認めないことを条件としたことに大きなアドバンテージがある。構造変異データとして、これまでに公表されているヒトのBenignなCNVに対して、ヒトの生殖への大きな影響のないCNVという点で、より周産期・小児領域での研究に貢献するデータセットが得られたものと考えている。すでに複数の施設と共同で、不育や流産あるいは早発閉経などを対象とした研究で、本研究成果を利用した詳細の解析を実施し発表した。さらに現在もこのような解析のプロジェクトを継続している。 これまでのCNV解析よりも本研究はより精密な検討を行った。本研究の成果をもとにCNVの断端について解析を行い、染色体の部分トリソミーやモノソミーといった量的異常による疾患の発生機序の理解に役立つことが期待できる。 本研究で得られた日本人集団での大規模ゲノム解析による染色体構造異常の解析データはゲノム医療の臨床応用とゲノム遺伝学の基礎的研究の双方に貢献できた。
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[Journal Article] Human genetic variation database, a reference database of genetic variations in the Japanese population.2016
Author(s)
Higasa K, Miyake N, Yoshimura J, Okamura K, Niihori T, Saitsu H, Doi K, Shimizu M, Nakabayashi K, Aoki Y, Tsurusaki Y, Morishita S, Kawaguchi T, Migita O, Nakayama K, Nakashima M, Mitsui J, Narahara M, Hayashi K, Funayama R, Yamaguchi D, Ishiura H, Ko WY, Hata K, Nagashima T, Yamada R, Matsubara Y, Umezawa A, et al.
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 61
Pages: 547-553
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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