2014 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス制御および発癌過程におけるEBV由来microRNAの機能の解明
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25860262
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牛久 綾(篠崎綾) 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師(病院) (60581824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Epstein-Barr ウイルス / 胃癌 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
EBV関連胃癌におけるウイルス由来microRNAの意義を解明するために、以下のような研究を行った。EBV関連胃癌の外科切除材料を用いて、real time RT-PCR法により、ウイルス由来microRNAの網羅的発現解析を行い、発現の高いmicroRNAを見出した。同時に胃癌以外のEBV関連腫瘍(上咽頭癌、悪性リンパ腫)の生検材料を用いて、いくつかのEBV由来microRNAの発現について胃癌における発現量との比較を行った。EBV関連胃癌で発現の高いEBV由来microRNAのシード配列から予測される標的遺伝子を、公開されているデータベースや標的遺伝子予測ソフトウェアを用いて検索した。その結果、複数のアポトーシス関連遺伝子が候補として挙がり、その中の一つであるアポトーシス促進蛋白Bidに着目し、さらなる解析を行った。In vitroの実験により、EBV関連胃癌のモデルとなる細胞株では、EBV感染によりBidの発現が低下していることが明らかとなった。さらに、EBV由来のmicroRNAであるebv-miR-BART4のシード配列と相同となる配列がBidの3’非翻訳領域内に含まれており、このmicroRNAがBidの蛋白への翻訳を抑制していることが予測され、レポーターアッセイにより、これを証明した。さらに、EBVに感染していない胃癌細胞株にebv-miR-BART4を導入することにより、Bidの発現が低下し、その結果、これらの細胞株においてアポトーシスが抑制されていることを複数の胃癌細胞株で明らかにした。 以上の結果から、EBV関連胃癌においてはEBV由来のebv-miR-BART4がBidの発現抑制を介して、アポトーシス抵抗性を獲得していることが示された。
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[Presentation] EBV関連胃癌2015
Author(s)
牛久 綾
Organizer
第104回日本病理学会総会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
Year and Date
2015-04-30 – 2015-05-02
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