2013 Fiscal Year Research-status Report
腸管症型T細胞リンパ腫の臨床病理学的研究及び国際共同研究
Project/Area Number |
25860278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
冨田 さくら 東海大学, 医学部附属病院, 臨床助手 (20647507)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腸管症型T細胞リンパ腫 |
Research Abstract |
腸管症型T細胞リンパ腫(Enteropathy-type T-cell lymphoma, EATL)はCeliac病を基盤とするTypeIとde novoに発生するTypeIIに分類され、本邦のEATLの多くはType IIとされる。 本邦のEATL20例の解析を行った。腫瘍細胞は中~大型13例、小~中型5例、中型5例であった。免疫組織化学で20例全てCD3, TIA-1陽性、CD5陰性を示した。TCR-βは2例、TCR-γは12例(M1, 7/19; Pan, 10/19)に陽性を示し、αβT細胞2例, γδT細胞12例、double negative T細胞6例と考えた。その他CD2(12/20), CD7(19/20), CD8(16/20), CD56(17/20), Granzyme B(5/20), HVEM(19/20), BTLA(4/20)であった(陽性数/検討数)。EBウイルスRNAのin situ hybridizationは全例陰性であった。本邦のEATLはCD8+, CD56+を示すものが多いが腫瘍細胞の大きさにばらつきがあり、欧州のTypeIIと異なった。 Array comparative genomic hybridizationを7例で行い、6例に9q34gain, 19q13lossを認めた。その他1q32, 4p15, 7q34, 8p11, 9q33, 9q22, 12p13, 16q23のgainと3p21, 7p22のlossが高頻度であった。Fluorescence in situ hybridizationでは20例中15例に9q34gainをみた。 TypeI, TypeIIで高頻度な9q34gainを本邦のEATLでも確認した。未だ報告のない染色体領域の異常を認め、欧州例とは異なる異常が本邦のEATL発生に関与している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていた50例には未だ達していないが、本邦のEATL 20例について計画通りに免疫組織化学とISH、FISHを行うことができた。また、計画には組み入れていなかったaCGH解析を行うことができたので、90%程度の達成度と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続き、本邦の症例を用いた解析を継続する。aCGHから得られた結果を踏まえて9q34以外の遺伝子座数個について自らprobeを作製し、FISHを行う。またその領域に含まれる遺伝子について免疫組織化学で蛋白発現の確認、もしくはRT-PCRでRNA量の確認を行う。本邦例の臨床病理学的、免疫組織化学的、遺伝子学的解析の結果を完成させたい。
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