2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒト心房性不整脈の発生基質に関する病理組織学的探索
Project/Area Number |
25860286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
松山 高明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (40349113)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 組織標本 / 立体構築 / 心房細動 / 刺激伝導系 |
Research Abstract |
研究目的、研究計画に基づき病理解剖から得られた組織標本を用いて以下のとおり研究を遂行している。 A. 心房細動に関しては、心房細動の発生基質として重要な左房-肺静脈接合部の組織標本を作製している。肺静脈-左房接合部とともに上下肺静脈間の接合部にも複雑な心房筋配列を認め、不規則な興奮伝導を示す基質である可能性が推定され、免疫染色によりその興奮伝導性の検討も行っている。また、心房細動に対するカテーテル治療後の症例の標本も作製してその組織所見を解析。心房細動の再発の原因や治療の合併症の原因となると思われる所見をまとめ、平成25年の第28回日本不整脈学会学術大会で報告した。 B. 房室結節周囲に関しては正常心臓から得られた房室結節周囲の組織標本を研究計画・方法のとおり作製した。大きさ 3 cm 角程の標本を 100μm 毎の合計約 300 枚連続組織標本を画像ファイルとして画像解析ソフト(ImagePro) の 3D-constructor 機能によりにより立体構築を行い、透過性を有する房室接合部イメージの中に刺激伝導系組織が走行する様子を示す三次元画像を得た。細かい組織構造の描写を今後継続していく予定であり、本年度の第29回日本不整脈学会学術大会等で演題発表を行う。これまでに 3 例の刺激伝導系の画像を構築したが、この 3 例中でも刺激伝導系の走行位置にはバリエーションがみられた。今後、詳細にこの多様性を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
房室結節周囲の組織構造解析に関してはほぼ予定通りに進行しているが、心房細動に関しては該当する病理解剖症例数が予想していたところより少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
心房細動に関しては実際にカテーテルアブレーション治療した症例に関する組織学的解析を行っていくとともに、典型的な心房細動症例の検討をさらに進める。また、房室結節に関しては立体構築画像の質を高め、症例によるバリエーションを見極め、順次学会報告して論文作成を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入した画像解析ソフトが見積もり金額より若干安価となったため。 次年度の物品費として使用する予定である。
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