2014 Fiscal Year Annual Research Report
エクソン45-55を欠失した短縮型ジストロフィンの機能とその役割の解析
Project/Area Number |
25860306
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
谷端 淳 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所 遺伝子疾患治療研究部, 流動研究員 (00508426)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋ジストロフィー / 細胞内カルシウム動態 / 短縮型ジストロフィン / nNOS |
Outline of Annual Research Achievements |
Duchenne型筋ジストロフィーはdystrophin (Dys) 遺伝子変異が原因で発症し、骨格筋・心筋に重篤な臨床症状を起こす一方で、Dys遺伝子のexon45-55 (Ex.45-55) を欠損した患者の骨格筋症状はほぼ無症状である。このEx.45-55を欠失する短縮型Dys (Δ45-55Dys) の機能を明らかにするため、Ex.45-55を欠失させたDys遺伝子が発現するマウス(ΔTg)を作出し、mdxマウスと交配させてΔ45-55Dysのみが発現するマウス(Tg/mdx)を産出し、その機能を検討した。 Tg/mdxの筋病理所見・筋機能を野生型、mdxマウスと比較したところ、Tg/mdx骨格筋ではジストロフィン糖タンパク質複合体(DGC)の発現が回復しており、Δ45-55Dys は全長Dysとほぼ同等の機能を有していた。一方で、DGCに含まれるnNOSの局在がTg/mdxでは細胞膜から細胞質へ変化しており、細胞質で活性化されたnNOSが筋小胞体(SR)のリアノジン受容体 (RyR1) をニトロシル化し、mdxマウスと同様に恒常的に細胞内Ca2+濃度を上昇させた。しかし、RyR1のアゴニストを用いてRyR1の機能を検討したところ、刺激に対するTg/mdxのRyR1機能はmdxマウスと異なり正常マウスと同程度維持されていた。そこで、SRにCa2+を取り込む役割を担うSERCAの機能を比較したところTg/mdxのSERCA活性はmdxマウスより有意に回復していた。以上よりTg/mdxではSERCAの機能が維持され、SRにCa2+を取り込むことで、刺激に対するRyR1応答性が正常マウスと同程度維持されていたと考えられる。このことは筋細胞膜の安定性だけでなくSRを含む細胞内小器官の機能が筋ジストロフィーの病態と治療を考えるうえで重要であることを初めて示した。
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[Presentation] Generation of Dystrophin mutated rats with a CRISPR/Cas system as a new animal model of muscular dystrophy.2014
Author(s)
Katsuyuki Nakamura, Wataru Fujii, Masaya Tsuboi, Jun Tanihata, Naomi Teramoto, Shiho Takeuchi, Kunihiko Naito, Keitaro Yamanouchi, Masugi Nishihara
Organizer
2014 FASEB Science Research Conferences(Skeletal Muscle Satellite and Stem Cells)
Place of Presentation
Steamboat Springs, Colorado, USA
Year and Date
2014-07-20 – 2014-07-25
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