2013 Fiscal Year Research-status Report
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群由来黄色ブドウ球菌の病原性発現機序に関する研究
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25860321
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
久恒 順三 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 助教 (40513180)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細菌 / ゲノム / 蛋白質 / 微生物 / 進化 |
Research Abstract |
H25年度の研究成果として、検討課題A)『皮膚組織への菌付着に関わるSkipの宿主因子によるプロセッシングに関する解析』において、大量精製系により組換えSkip体を取得し、Niビーズによるpull-down assay法を構築した。温度、血清の添加量など様々な検出条件で検討を行っているが、Skipに結合する候補因子を絞り込むに至っておらず、探索を継続遂行している。検討課題B)『何故SSSS由来株で高頻度にかつ大量に表層蛋白質Skipを発現し得るのか?』について、これまでに、数多くの株を用いた比較ゲノム解析から、高発現Skip株は共通してskipの上流の転写因子であるsarTとsarU間に6塩基の欠落を有しており、この6塩基配列をもつ株と同じ配列にするとSkipの産生が減弱した。また、この6塩基は、sarT及びsarUの転写開始点のプライマー伸長法による解析から、従来報告されている位置とは異なっていた。次に、この6塩基の有無によって結合変化のある転写制御因子を探索した結果、6塩基付加したDNA断片で特有なバンドを検出し、質量分析から転写因子であるMgrAが同定された。続いて、低発現Skip株(6塩基有り)でMgrA欠損株を作製し、sarT/sarU/skipの発現への影響を調べると、いずれも顕著に増大していた。これらの解析から、impetigo/SSSS原性株は、6塩基欠落のためにSkip発現を負に制御するMgrAが結合できず、Skipが異常発現している事が明らかとなってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討課題A)について、組換えSkipを結合させたビーズを用いたpull-down法を概ね確立させたが、検出条件等を重ねる必要がある。Skipプロセッシングに関わる因子の探索についてはまだ同定出来ていないが、検討課題B)において転写因子群の変異株の性状解析について、Skip発現機構の全体像が明らかになってきつつあり、概ね解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は概ね実験計画に設定した通りに進展しているので、H26年度においては、検討課題A)のSkipプロセッシングに関する因子の同定について重点的に解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度実施予定の実験項目が予定よりも変更せざるを得なかったので、平成26年度に繰越す状況となったため。 この未使用額を平成26年度の予算と合わせ、消耗品として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)