• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

Unc93B1によるTLR5の制御とその意義の解明

Research Project

Project/Area Number 25860354
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

柴田 琢磨  東京大学, 医科学研究所, 助教 (30554505)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2015-03-31
KeywordsUnc93B1 / TLR5
Research Abstract

Toll Like Receptor 5 (TLR5) は細菌の鞭毛構成成分であるFlagellinを認識する細胞表面レセプターである。ヒトのTLR5には多くの一塩基多型が報告されており、 全体の10%はDominant Negative型となる392STOPを有すると考えられる。この事実はTLR5応答の欠損が生存に有利になる環境の存在を示唆するが、TLR5の生理的意義は未だ不明瞭である。本研究では、新規のTLR5関連分子によるTLR5応答制御機構の解析を介して、生体防御および恒常性維持におけるTLR5の役割を解明することを目的とする。
本年度、我々は核酸認識TLRの制御因子として知られていたUnc93B1がTLR5関連分子でもあることを証明した。Unc93B1に制御される核酸認識TLRと同様、TLR5は膜近傍配列に負電荷を持つアミノ酸 (DEEE)配列を持っており、同配列依存的にTLR5とUnc93B1の会合が認められた。Unc93B1のノックダウンおよびノックアウト細胞では細胞表面TLR5の完全な欠損およびTLR5応答の欠損が認められ、Unc93B1ノックダウン細胞におけるUnc93B1の強制発現により細胞表面TLR5の発現は回復した。これらの知見と一致して、Unc93B1ノックアウトマウスへのFlagellin投与では、サイトカイン産生や共刺激分子の発現上昇が完全に欠損していた。以上の結果より、Unc93B1はTLR5の細胞表面分布を制御すると共にTLR5のリガンド認識に必須の分子であることが証明された。
また、TLR5を抑制可能な抗マウスTLR5抗体の作製にも成功したことから、今後は同抗体を用いて生体におけるTLR5の役割を検討していく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、Unc93B1がTLR5の制御分子であることを証明することができた。同成果に関しては論文として投稿中である。また、TLR5の生体内における役割の解明に必須である抗TLR5ブロッキング抗体に関しても予定通り得ることができた。以下、予定していた研究内容における達成度の詳細を記載する。
1.機能解析ツールの作製 : 以前に作製した抗TLR5抗体(ACT5)にTLR5応答を抑制する機能を見出し、抗マウスTLR5ブロッキング抗体を得ることができた。Unc93B1 conditional トランスジェニックマウスの作製に関しては、C57BL/6由来のES細胞(JM8 A3)を用いてHomologous Recombinantsを得ることができた。今後、マウス胚へのInjectionを行う。
2. TLR5応答におけるUnc93B1の意義の解明: Unc93B1 KOマウスおよび3dマウス(Unc93B1変異マウス)を用い、Unc93B1がTLR5の機能に必須であることが証明できた。
3. TLR5による核酸認識TLRの制御機能の解析: TLR5と核酸認識TLRであるTLR3/7/9を発現する細胞株であるJ774細胞を用いてFlagellin刺激が核酸認識レセプターを介した炎症性サイトカイン産生に影響を与えるか否かを検討した。その結果、FlagellinはTLR3応答を顕著に増強することが判明した。今後、同現象の生理的意義を検証する。
4.SLEモデルマウスにおけるTLR5の役割の解明: 現在、Balb/cバックグラウンドのTLR5 KOおよび3dマウスにプリスタンを投与中である。フェノタイプが得られるまでに半年程度を要するため、SLE発症におけるTLR5の役割は今後検討していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

本年度に得られた結果は、TLR5と核酸認識TLRがUnc93B1を介して関連することを示唆している。核酸認識TLRは様々な自己免疫疾患に重要な役割を果たすことが判明しているが、TLR5と自己免疫疾患との関連は全く報告がない。次年度は、TLR5が核酸認識TLR応答に与える影響およびTLR5と自己免疫疾患の関連に関して検証を進めていく。
1.機能解析ツールの作製 : Unc93B1 conditional トランスジェニックマウスを作製し、フェノタイプの解析を行う。
2. TLR5による核酸認識TLRの制御機能の解析:自己免疫疾患の発症において、I型IFNの産生が重要であると考えられている。次年度は、FlagellinがTLR3/7/9を介して産生されるI型IFN産生に与える影響を検証する。具体的には、脾臓pDC/cDCをFlagellinと各種核酸で共刺激し、核酸単独刺激と比べてI型IFN産生がどのように変化するのかを解析する。
3.SLEモデルマウスにおけるTLR5の役割の解明:前年度に作製した抗マウスTLR5 Blocking抗体をMRL/lpr などのSLEモデルマウスに投与し、SLEの病態におけるTLR5の関与を解析する。また、Balb/cバックグラウンドTLR5 KOおよび3dマウスにおけるプリスタン誘導SLEモデルの解析を引き続き行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ブロッキング抗体の作製が予測していたよりも早期に終了した為、モノクローナル抗体作製に使用する試薬の購入を抑えることができた。
繰越額に関しては、Unc93B1 conditional Tgの作出に必要なInjection代として次年度に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Single Stranded RNA adjusts the TLR7/8 response to agonistic base analogues.2013

    • Author(s)
      柴田 琢磨
    • Organizer
      第42回 日本免疫学会総会 学術集会
    • Place of Presentation
      千葉・幕張メッセ
    • Year and Date
      20131211-20131213
  • [Remarks] 東京大学医科学研究所・感染遺伝学分野

    • URL

      http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/kanseniden/index.html

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi