2015 Fiscal Year Annual Research Report
諸外国における地域医療提供体制の定量評価とその活用に関する研究
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25860380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大坪 徹也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80551796)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医療経済学 / 医療政策 / 地域医療計画 / 評価指標 / 脳卒中 / 医療費 / レセプトデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域医療提供体制の定量評価に関する実践的な方法論を確立する研究である。 初年度に収集した国内外の地域医療政策で活用されている評価指標に関する情報を元に、次年度に地域医療政策課題の分析手法をより詳細に検討し、脳梗塞治療の提供体制に関するアウトカムとプロセスについて実データを用いて定量評価を行なった。最終年度は、算出された指標の解釈や指標間の関連について考察を深めるとともに、多岐にわたる関係者や研究者との対話を通じて地域医療政策への研究成果の活用について検討した。特に、国内の臨床家、行政担当者、他分野研究者や住民との対話において、本研究成果の学術的、社会的関心が非常に高いことが確認された。そこで、各ステークホルダー内での協議やステークホルダー間の協議を支援しうる情報のあり方や協議の場のあり方について一層の検討が必要となる。また海外においても、地域医療提供体制の評価と改善のプロセスの重要性が共通認識となり、その機運も高まりつつある。しかし、医療システム上による障壁、データ管理活用上の障壁および医療システムに関する文化の未成熟により、国を挙げてというよりは、専門家や地域において局所的に改善プロセスを試行錯誤しながら導入している実情がうかがえた。 本研究はその期間を3ヵ年とし、評価概念の整理、定量評価方法の開発と実践、根拠にもとづく地域医療政策のあり方について当初の計画に即して研究を実践した。これにより、医療政策に直接関与する者への実務面での支援に加えて、医療政策に関する教育面への支援に資するものとなる。したがって本研究の成果は、医療政策に関する人材の育成に貢献しうるものであり、ひいては持続可能な医療提供体制構築のための礎となることが期待される。
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