2014 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ患者登録システムと保険データベースによる分子標的治療薬の薬剤疫学研究
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25860390
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
酒井 良子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30631981)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬剤疫学 / 関節リウマチ / 安全性 / 生物学的製剤 / レジストリ / 保険データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
1.REALデータベースを用いて、早期RA患者と長期罹患患者の安全性を比較検討した。解析対象症例は、REALのフォローアップデータが得られた患者のうち、生物学的製剤が一度でも投与された患者とし、生物学的製剤開始時のRA罹病期間が2年以内の患者を早期RA患者(early RA), E群(301名、637.7患者・年[PY])とし、それ以外の症例は長期罹患患者(long-standing RA), L群(1092名、2242.8PY)とした。解析対象期間は生物学的製剤開始から3年、死亡、追跡中止日までとした。解析対象症例の背景因子を記述し、報告された重篤な有害事象(SAE)の発現率および内容を両群で比較した。その結果、L群はE群と比較して、有意に高齢で、Steinbrockerのstage分類がIII以上の患者の割合が高く、メトトレキサートの使用率はE群で有意に高く、平均投与量も有意に多かった。E群と比較してL群の粗発生率比はSAE(1.88[1.39-2.54])および重篤な感染症(SI)(2.17[1.31-3.60])で有意に高いことが明らかになった。次に、Cox比例ハザードモデルを用いて患者背景因子で調整し、罹病期間とSIとの関連性を検討した結果、L群(vs. E群)のハザード比(95%CI)は1.22(0.67-2.25)と有意なリスク因子とはならなかった。SIの有意なリスク因子として、高齢であること、SteinbrockerのStage分類(III or IV)、肺合併症を有することが抽出された。 2.日本における分子標的治療薬使用RA患者に関するアウトカム研究(CORRECT)のwebシステムを管理し患者登録を進め、登録患者数は平成27年3月時点で513名となった。平成27年1月までにデータが固定された患者327名(TT曝露群:172名、TT非曝露群:155名)の患者背景因子および観察開始一年間の治療内容、治療反応性の推移、SAEの内訳と件数の記述統計を実施した。
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