2014 Fiscal Year Research-status Report
診断と治療を包括的に実行するための新規ナノ・マイクロバブルの開発
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25860397
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小田 雄介 帝京大学, 薬学部, 助手 (80505941)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロバブル / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波診断・治療への微小気泡の応用に関して、粒子径や構成殻成分などが異なる微小気泡を用いた系統的な特性評価に関する研究はほとんど進められていない。そこで、本研究では、超音波診断・治療に適した微小気泡の開発に向けた基礎的検討の第一段階として、同一構成殻成分からなる粒子径の異なる微小気泡を調製し、その特性と超音波造影・超音波遺伝子導入に及ぼす影響を検討することを目的としている。 本年度は微小気泡構成殻成分の影響について検討した。DMPC、DPPC、DSPCの3種類の脂質を用いて微小気泡を調製し、その特性と超音波造影・超音波遺伝子導入に及ぼす影響を検討した。DSPCからなる微小気泡は20℃において調製後4時間経過後もパーフルオロプロパン保持量に変化は認められず、安定であることが判明した。一方、DMPC,DPPCからなる微小気泡では30分経過後のパーフルオロプロパン残存率が50%以下となり、安定性が低いことが示唆された。さらに、in vivoにおいて、脳への超音波遺伝子導入を行ったところ、DSPCからなる微小気泡において、最も遺伝子発現量が多く、DPPC、DMPCの順に低下した。この原因を調査するべく、超音波遺伝子導入に必要な超音波照射時間である、微小気泡投与1分後における、血中パーフルオロプロパン量を測定したところ、DSPC,DPPC,DMPCの順に高い値を示した。これらのことから、効率の良い超音波遺伝子導入には、血中において微小気泡が安定に存在することが重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の結果から、超音波造影・遺伝子導入において、微小気泡の粒子径が大きく影響するという結果を得られた。一方で、超音波遺伝子導入における微小気泡の粒子径と超音波周波数の関係性について不明確である点が指摘されていた。本研究において得られるデータは超音波治療における超音波照射条件と微小気泡の粒子径を決定づける重要な研究内容である。そこで、異なる超音波周波数における遺伝子導入についての検討を進めているため一部の計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
科学研究費助成事業補助事業期間延長申請を行い、補助事業期間を延長した。 超音波周波数の影響に関しては施行回数を増やすことでデータの信頼性を高め、超音波造影と粒子径の影響を考慮しつつ、最適な微小気泡粒子径を設定する。また、in vivoにおけるデータ収集も合わせて行っていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度にアクティブターゲティング型ナノ・マイクロバブルの開発を行う予定であったが、ナノ・マイクロバブルの粒子径と共振周波数の関係性について調査する必要が生じたため、計画を変更し、異なる周波数における超音波造影と遺伝子導入について検討することとしたため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
アクティブターゲティング型ナノ・マイクロバブルの解析と学会での発表を次年度に行うこととし、未使用額はその経費に充てる。
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[Journal Article] Development of fluorous lipid-based nanobubbles for efficiently containing perfluoropropane2015
Author(s)
Yusuke Oda, Ryo Suzuki, Tatsuya Mori, Hideyo Takahashi, Hideaki Natsugari, Daiki Omata, Johan Unga, Hitoshi Uruga, Mutsumi Sugii, Shigeru Kawakami, Yuriko Higuchi, Fumiyoshi Yamashita, Mitsuru Hashida, Kazuo Maruyama
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Journal Title
International Journal of Pharmaceutics
Volume: 20
Pages: 64-71
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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