2015 Fiscal Year Annual Research Report
代謝異常進行過程での脂肪組織の炎症と異所性脂肪蓄積の関連に関する臨床研究
Project/Area Number |
25860403
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
南 勲 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (90644196)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内臓脂肪 / 筋肉 / 2型糖尿病 / 減量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、肥満者の余分なエネルギー装置としての皮下脂肪組織の限界が、本来蓄積しない場所への脂肪蓄積の引き金となるという仮説をヒトで検証すること、さらには脂肪組織の慢性炎症が体内脂肪分布に与える影響を解明することである。 この目的を達成するために、糖尿病患者に対してdual energy X-ray absorptiometry (DXA)による全身脂肪・筋肉の分布の定量、バイオインピーダンス法による細部内臓脂肪面積の測定、MRIを使用した筋肉内異所性脂肪の定量を実施し、同時に血液検体を採取した。これらの評価を治療介入前お呼び6か月後で行い、その変化量の関係を比較した。 2016年3月までに累計133名がエントリーした。当初想定していた筋肉などへの異所性脂肪蓄積に影響を与えるパラメータの同定には至らなかった。一方、2型糖尿病患者68名の検討では、多変量解析において、内臓脂肪面積の変化量に影響を与える因子として体重変化幅の他、内臓脂肪面積基礎値、BMI基礎値、HbA1c変化量が抽出された。また、四肢筋肉量の変化に影響を与える因子として、体重変化幅、内臓脂肪面積基礎値、観察終了時のHbA1cが同定された。特に介入前の内臓脂肪面積が大きい方が、体重減少による四肢筋肉量の減少を免れる傾向があることが観察されたことは特記に値する。 以上の我々の研究成果は、減量が望まれる2型糖尿病患者において、減量による体組成変化パターンの予測に役立てられるものと考えられる。
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