2014 Fiscal Year Annual Research Report
若年性骨髄単球性白血病患者のiPS細胞を用いた疾患特異的マーカーと治療薬の同定
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25860405
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松田 和之 信州大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (00647084)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 若年性骨髄単球性白血病 / iPS細胞 / センダイウィルス / 白血病治療薬スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Mycの4因子を搭載したセンダイウィルスベクターを用いて、若年性骨髄単球性白血病(JMML)患者からiPS 細胞を樹立し、白血病性幹細胞(LSCs)等を含む異なる成熟段階の血液細胞群を分化誘導する。そして、安定して患者由来細胞を供給できる培養系を構築し、抗白血病効果・薬剤応答について、LSCsを効率よく除去できる特異性の高い白血病治療薬のスクリーニングに応用することである。 最終年度であるH26年度の成果として、H25年度に樹立に成功したセンダイウィルスベクターを用いたJMML患者由来のiPS細胞を使用し、マウスストローマ細胞(AGM)上でSCF、BMP4、TPO、 及びVEGFのサイトカイン下で培養を行うことにより、恒常的にCD34陽性細胞を誘導することが可能となった。さらに、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(LBH589)はJMML CD34陽性細胞の増殖を強く抑制することを明らかにした。 2年間の研究期間を通じて得られた①JMML患者由来のiPS細胞の樹立、および②iPS細胞からのCD34陽性細胞の誘導という研究成果から、これまで株化細胞が得られていたなかったJMMLにおいて、iPS細胞とそれから誘導したCD34陽性細胞を用いることで、解析に使用する細胞の安定的な供給を可能にした。また、白血病治療薬に対する応答について詳細な解析を行うことも可能となった。 今後、誘導した患者由来CD34陽性細胞を用いて、新規の治療薬の中から、治療効果の高い特異的な治療薬のスクリーニングを行っていきたい。
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