2015 Fiscal Year Annual Research Report
MICプロモータ領域の遺伝子多型解析によるC型肝炎のIFN治療効果予測
Project/Area Number |
25860406
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
塩谷 淳 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (20599451)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MICB / C型肝炎 / インターフェロン治療 / 遺伝子多型 / セロタイプ2型 |
Outline of Annual Research Achievements |
MHC classⅠ-related chain A/B(MICA/B)は、ウイルス感染やがんなど様々なストレスに対し産生され、NK細胞を活性化することで排除に働く自然免疫機構の一役を担っている。申請者は、C型肝炎患者のMICB遺伝子プロモーター領域の一塩基多型(SNP)(rs3828913)に着目し、C型肝炎に対するIFN治療抵抗性とその遺伝子多型の関わりについて研究した。滋賀医大に通院中あるいは滋賀医大関連の病院に通院中のC型肝炎患者で、この研究に同意が得られた方を対象として、臨床研究した。研究対象者は3年間の研究を通して合計107名(セロタイプ1型74名、セロタイプ2型33名)であった。遺伝子多型の調査方法は、患者血液から抽出したDNAをTaqman-probe法にて調査した。結果、全体ではrs3828913のminor alleleを持つ患者において、インターフェロン治療によるウイルス学的寛解(SVR)率は有意に低かった。ただ、セロタイプごとに解析すると、セロタイプ1型ではSVR率に差はなく、2型でのみSVR率に差があった。また、セロタイプ2型のC型肝炎に対するインターフェロン治療のSVR率に寄与する因子として、年齢、性別、BMI、ウイルス量、肝機能、ヘモグロビン値、血小板数、インターフェロンの投与量、リバビリンの投与量、IL-29BのSNPについても調べたところ、単変量解析で有意であったのはこのMICBのSNPのみであった。この研究成果について、論文投稿し、2015年、Biomedical Reports 3 ; 247-253に掲載されている。また、2015年5月に行われた米国消化器病学会のポスターセッションにおいても発表を行った。この研究は、MICBがいままで不明であったセロタイプ2型のC型肝炎のインターフェロン治療効果に寄与する因子である可能性を示唆したという点において有意義であったと考えている。
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