2013 Fiscal Year Research-status Report
成人T細胞白血病におけるEZH2制御性miRNAの発現解析と臨床応用
Project/Area Number |
25860411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 大介 長崎大学, 大学病院, 臨床検査技師 (90624784)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HTLV-1 / EZH2 / miRNA |
Research Abstract |
EZH2(Enhancer of zeste homolog2)はヒストンメチル化酵素活性を有し、ターゲット遺伝子のサイレンシングを介して様々な癌腫において腫瘍の形成や進展に閑所していると報告されており、我々はHTLV-1ウイルス感染により引き起こされる成人T細胞白血病(ATL)においてEZH2が過剰発現し予後と関連することを報告している。またmiRNAの発現異常は様々な癌・腫瘍で認められ、我々の以前の研究でも患者由来ATL 細胞ではmiRNA 発現が全体的に健常者と比べ低下していることを報告している。今回我々はEZH2の遺伝子サイレンシングが機能性小分子RNAであるmiRNA発現に関わっているかについて検討を行った。まずATL細胞株に対しEZH2阻害剤DZNep (3-deazaneplanosin A)を用いたところCaspaseの活性化、Annexin陽性細胞の増加などapotosisによると思われる細胞株の増殖抑制を示した。またqPCRによりATL患者細胞で発現低下しているmiRNAを調べたところmiR-181aの発現増加が認められた。またアレイ解析およびqPCRによりDZNepはATL細胞株において抗アポトーシス分子であるBCL2の発現抑制が確認され、WebデータべースTargetScanで検索したところmiR-181aはBCL2 mRNAの3'UTR領域に結合サイトが存在することがわかった。以上のことからEZH2は細胞増殖に密接に関わっており、EZH2はmiR-181aを介して抗アポトーシス分子であるBCL2の発現を制御しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
EZH2により発現増加するmiRNAおよびmiRNA標的遺伝子の推定まではできている。しかしmiRNA mimicの細胞株への導入による標的遺伝子の発現抑制の確認がまだできていない。理由としてはHTLV-1細胞株へのtransfectionが非常に困難であり、現在様々な遺伝子導入法の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに遺伝子導入機器を研究室で購入したためその機器による導入条件を検討中である。条件が整い次第、当該年度に実施する予定であったmiRNA mimicによるmiR標的遺伝子の阻害活性の評価およびEZH2を標的としたsiRNAを導入することでmiR-181aが直接的にEZH2により制御されているかの検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた平成26年度の計画として挙げていた計画が細胞株に対する遺伝子導入が困難であったため実験計画に遅れが発生した。現在様々な導入法を検討中であり、系が確立次第速やかにmiR-181a の標的mRNA3’UTR 領域を組み込んだレポーターベクターとmiRNA 模倣分子を細胞株に導入し、ルシフェラーゼアッセイを用いたmiRNA の標的配列阻害活性を評価する。 物品費は主に当該研究に必要な各種細胞の培養関連試薬・消耗品、siRNAやmiRNA mimicsなどの合成オリゴ、トランスフェクション試薬の購入などにあてられる。旅費は成果発表のための旅費にとして使用される。
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Research Products
(2 results)