2013 Fiscal Year Research-status Report
胃癌における細胞外non-coding RNAの包括的解析と治療応用への展開
Project/Area Number |
25860412
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小西 博貴 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00448739)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 病態検査学 / 腫瘍検査学 |
Research Abstract |
胃癌細胞株の培養液中のlong non-coding (lnc) RNAの検索を行い、H19が術前・術後サンプルにおいて変化を認める事を同定した。このlnc RNAに関しては、これまでの実験手法と同様にplasma中での安定性を確認するとともに、術前・術後の変化の確認、健常者に比べて胃癌患者血漿中での上昇が確認され、胃癌に対するplasma biomarkerとして報告を行った。 また、胃癌細胞株(MKN45, KatoIII,HGC27)と正常繊維芽細胞株(WI-38)用いて、培養液中のmiRNA, lncRNAがPCR法を用いて探索可能である事を確認し、両細胞のfilter付きinsertを用いた共培養を行い、培養液中のRNA変化・細胞増殖などについて検討した。しかしながら、培養液中のRNAに関して有意と呼べるほどの差を検出することができなかった。この原因としてWI-38細胞に比較して胃癌細胞株の増殖が非常に早く、通常の細胞量での共培養では正常細胞からの影響が十分に反映されていない可能性が考えられた。 このため、現在増殖速度の速い正常中皮細胞(Met-5A)を購入し、また実験系として細胞の播種数を少なくし、正常細胞との共培養下での胃癌細胞株のcolony formation assayを施行中である。この実験系において、Met-5Aとの共培養によりMKN45でややcolony形成が抑制される傾向にあるため、この状況下での培養液中やMKN45のmiRNA, lncRNAの変化についてArray, PCRを用いて解析中である。 また培養液中のexosome分画については、十分量を回収済みであるためこれらを用いたふりかけ実験により、共培養と同様の効果が得られるかについても今後検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胃癌細胞におけるlncRNAに関しては培養液中でも確認が可能であり、臨床検体を用いた比較で胃癌患者における差が確認出来た。 しかし細胞・培養液を用いた実験において、当初予定していた正常繊維芽細胞のWI-38が今回の実験系での使用には増殖速度の面で困難が多く、新たにMet-5Aの選別・購入などを行ったためやや時間がかかっている。 また通常細胞量での共培養では増殖速度の違いなどから、十分な細胞間の影響を確認できていない可能性が高く、colony formation assayなどへの実験手法の微調整も必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、共培養下での変化を再検討中であり、また培養液や細胞は回収済みであるため、これらから抽出したRNAを用いてmicro arrayやPCRを用いて、変化の同定を試みる。また同定された変化に対しては、個別に細胞に対する影響を確認予定である。 同時に、培養液中のexosome分画についてはすでに抽出済みであり、これらのふりかけ実験によって、共培養と同様な変化がもたらされるかについても確認予定である。 これらの結果から、各RNAの分泌経路や分泌RNAのがん抑制的な効果に関しても検証を行っていく予定である。
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