2014 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌における細胞外non-coding RNAの包括的解析と治療応用への展開
Project/Area Number |
25860412
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小西 博貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448739)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | non-coding RNA / micro RNA / 胃癌 / 食道癌 / 肝癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に確認した胃癌細胞培養液中のmiR-451,-486に関して、exosome分画への分布を確認し、また正常細胞との共培養による量的な変化が確認されたが、細胞や培養の条件により、その測定誤差などが非常に大きく、残念ながら胃癌細胞と同miRNAに関して現段階でまとまった結果が得られていない。今後、特に後述の食道癌細胞株とHOTAIRの組み合わせでの実験を計画中である。 両miRNAの実臨床における有用性のさらなる検討として、StageII,III 胃癌患者の術前/術後血漿をprospectiveに集積中であり、今後これら検体を用いてmiRNAレベルと臨床経過との対比を行い、実臨床での利用の可能性について検討予定である。 前年度に胃癌におけるバイオマーカー候補として抽出した様々なlncRNAに関して、他癌種における報告がある物も多くみられたことから、他癌種での検索を施行したところ、食道癌患者の血漿においてlncRNAのHOTAIRレベルが、健常コントロールに比較して有意に上昇することが確認された。また血漿での低値群ほど全生存率・無再発生存率ともに良好であり、HOTAIRに関しては、食道癌組織での分子機構と予後との関連が知られているため、引き続き血漿中HOTAIRの癌細胞株に対する作用について解析中である。 またlncRNAのMALAT1が、健常コントロール・肝炎患者・肝癌患者と段階的に上昇し、組織においては肝癌と周辺の背景肝組織に発現の差を認めないものの、肝癌患者と大腸癌肝転移患者の正常肝組織での発現に有意差を認めた。これらの事から、血漿中MALAT1レベルは肝障害や肝癌発生の指標になる可能性が示唆され、ここまでの内容に関して論文投稿の準備中である。今後は、MALAT1の血漿中での著名な上昇が、肝癌発生の原因か結果なのかに関して、MALAT1の機能解析を中心に進行中である。
|